チンギス・カンーーモンゴル草原の凱歌(四)王者への路【千古英雄伝】
ソルカン・シラの2人の息子チンバイとチラウンは父親の反応を待たずに、妹を呼んで3人でテムジンの首や手足についている鎖を外し、後で証拠にならないよう、きれいに処分した後、ゲル裏の羊毛が積まれた荷車にテムジンを隠しました。
3日間捜査してもテムジンを見つけられなかったので、タイチウト氏族の首長は誰かが匿ったのではないかと疑い始めます。ゲルを一つずつ隈なく捜索していき、ソルカンの家のゲルも隅から隅まで探し回りましたが、テムジンの姿はどこにもありません。兵士たちが立ち去る間際に、リーダーらしき人物がゲル裏の大量の羊毛を乗せた荷車に気づき、兵士に荷車を調べさせようとしました。
ソルカンは緊張と恐怖で震える両足でなんとか踏ん張り、声が震えないよう必死に抑えて、「こんな暑い日に羊毛の中になど隠れていたら窒息しますよ」と言いました。
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