子どもが野菜を食べたがらないことは、多くの母親にとって悩みの種でしょう。親が子どもに、野菜を味わうことに対してご褒美をあげると、食欲が増すという研究結果もあります。
5月4日から7日にかけて、オランダのマーストリヒトで第29回欧州肥満学会が開催されました。学会で発表された研究によると、シールや小さなおもちゃの王冠などの賞品を与えることで、健康的な食事に興味を持つようになる可能性があることがわかりました。
野菜には、カルシウム、鉄、銅などのミネラルが含まれています。カルシウムは骨や歯の発育に重要な物質で、くる病の予防にもなります。鉄や銅は食欲不振や貧血の予防、成長・発達を促進する効果があります。
オランダのリンブルフ州にある保育園で、1歳から4歳までの子どもたちを対象に、専門家による3カ月間の調査プログラムが行われました。
「幼い頃から野菜を食べることが大切です」と、この研究を行ったマーストリヒト大学フェンロー校のブリット・ファン・ベルコム研究員は言います。
「これまでの研究で、幼児は新しい野菜を好きになるまでに通常8~10回試食しなければならないことがわかっています」
「そこで、子どもたちに繰り返し野菜を与えることで、緑の食品を食べるようになるかどうかを調べました」。また、「ご褒美」が子どもたちの野菜への興味にどのような影響を与えるかについても比較したといいます。
3ヶ月間の保育園の野菜ボックスプログラムには、合計598人の子どもたちが参加しました。
子どもたちを3つのグループに分け、第1グループは野菜の試食後にご褒美を、第2グループは試食後に何も与えず、そして残りのグループは野菜もご褒美も与えないというものでした。
その結果、野菜に触れた二組の子どもたちは、野菜の知識が増えていることがわかりました。ご褒美をもらったグループは、野菜の試食に対する意欲が有意に増加しました。
「保育園の子どもたちに定期的に野菜を提供することで、さまざまな野菜を識別する能力が著しく向上しました」「しかし、野菜を食べたらご褒美をあげることで、子どもたちはいろいろな野菜を食べようとする意欲が増すようです」とファン・ベルコムさんは言います。
また、ご褒美の種類も重要で、シールやおもちゃの王冠など、食べ物以外の楽しいご褒美であることが必要でした。しかし、かわいい形の食べ物も効果があります。
小さなご褒美だけでなく、精神的な励ましも効果的です。例えば、子どもの立場に立って、野菜の大切さを相手の好みに合わせて強調します。「野菜を食べると成長が早いよ!野菜を食べればもっと可愛くなれる!」と言うのもありです。
子どもが反抗するようになるので、むやみにお願いしたり、一口で食べるように命令したりしないことも大事です。お母さんは、「この料理はおいしいし、私も食べたいから、一口だけ食べてね。あとはお母さんが食べるから!」と言えばいいのです。おそらくあなたがまだ言い終わらないうちに、お子さんは我先にと食べてしまうでしょう。
(翻訳・井田千景)
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