「果物の王様」と呼ばれるドリアン。 (Shutterstock)

ビタミンだけじゃない、健康効果の高いフルーツ(3) ドリアン

毎日いろいろな果物を食べることによって得られる健康効果は、その栄養成分によって異なると考えられています。雑誌『Circulation』に掲載されたハーバード大学の調査では、1日に5皿(果物2皿、野菜3皿)の青果物を食べると、健康に大きな効果があると報告されています。ここでは、その栄養価の高さが際立つ5つのフルーツをご紹介します。

 

3.ドリアン

ドリアンは、タイ、マレーシア、インドネシア、ベトナムなど東南アジアの国々では、その高い栄養価から「果物の王様」と呼ばれています。

ドリアンは栄養がとても豊富です。葉酸は100gあたり36μg、その他リボフラビン(ビタミンB2)は0.2mg、ビタミンCは19.7mg、カリウムは436mg、銅は0.2mgで、マグネシウムは30mg、マンガンは0.325mg含まれています。

ドリアンにはトリプトファンが含まれており、セロトニンとメラトニンという気分や睡眠を調整する神経伝達物質に代謝されます。セロトニンは気分を安定させ、幸せで穏やかな気分にさせる効果があります。 一方、メラトニンは、睡眠を改善する働きがあります。

また抗酸化作用のあるビタミンCが豊富に含まれており、コラーゲンの生成を促し、肌にハリを与え、色素沈着を軽減します。

その他にも炭水化物を多く含み、体に素早くエネルギーを供給してくれます。ドリアン100gに含まれる炭水化物は27gで108キロカロリーです。

またドリアンはビタミンB群のチアミン(ビタミンB1)を豊富に含んでいます。このビタミンは、細胞の成長と発達、神経系、心臓系、消化器系の維持に重要な役割を担っています。ドリアンには100gあたり0.374mgのチアミンが含まれています。

実はドリアンには、果物では比較的少ないビタミンB群が豊富に含まれているのです。ドリアンに含まれるビタミンB群には、上記のチアミンのほか、神経系、消化器系、皮膚の健康維持を助けるナイアシン(ビタミンB3)、食物をエネルギーに変えるリボフラビン(ビタミンB2)、コレステロールの生成を助け、食物をエネルギーに変えるパントテン酸(ビタミンB5)、神経系や免疫系の健康維持に重要なピリドキシン(ビタミンB6)などが含まれています。

その他、ドリアンはカリウムを豊富に含んでいます。カリウムは健康な血圧を維持し、心血管系疾患のリスクを低減し、神経系の安定をサポートします。また、ドリアンにはマンガン、銅、鉄などのミネラルも多く含まれています。マンガンは脳の機能を正常に保つのに役立ち、銅は血液中のヘモグロビンの形成を助け、鉄はヘモグロビンの成分として、酸素を体のすみずみまで運ぶのに役立つのです。

(つづく)

(翻訳・井田千景)

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