アボカドを定期的に食べることで、心臓血管の健康、血糖値のコントロール、体重管理などの効果が期待できます。(kouta / PIXTA)

ビタミンだけじゃない、健康効果の高いフルーツ(2) アボガド

毎日いろいろな果物を食べることによって得られる健康効果は、その栄養成分によって異なると考えられています。雑誌『Circulation』に掲載されたハーバード大学の調査では、1日に5皿(果物2皿、野菜3皿)の青果物を食べると、健康に大きな効果があると報告されています。ここでは、その栄養価の高さが際立つ5つのフルーツをご紹介します。

 

2.アボカド

アボカドは甘すぎず、良質な脂肪が豊富で、栄養価も高い特別な果物です。アボカドを定期的に食べることで、心臓血管の健康、血糖値のコントロール、体重管理などの効果が期待できます。

アボカドは、心臓に良い一価不飽和脂肪酸を多く含んでいます。

米農務省によると、アボカドの脂肪の約66%は一価不飽和脂肪酸です。この脂肪は、体内の総コレステロールと悪玉コレステロール(LDLコレステロール)値を下げ、善玉コレステロール(HDLコレステロール)値を上げる効果があります。

『Journal of Nutrition』誌の研究によると、アボカドを定期的に食べている人はHDLコレステロールの値が高いそうです。HDLコレステロールの値が高いほど、心血管疾患のリスクは低くなります。

それだけでなく、一価不飽和脂肪酸は2型糖尿病の人の血糖値コントロールにも良いのです。米国糖尿病協会の研究では、一価不飽和脂肪酸を多く含む食品は、2型糖尿病の人の代謝の健康を高めるのに役立つと報告されています。

また、アボカドのGI値は40と低く、これは血中へのブドウ糖の吸収速度を抑える糖新生酵素阻害剤の存在に関連しています。またアボカドは糖質も低く、1/2個のアボカドに含まれる糖質はわずか0.3gです。

アボカドは果物の中で最も植物ステロールを多く含んでいます。植物ステロールは、体内でのコレステロールの吸収を抑え、心臓病のリスクを低減させる天然有効成分です。アボカドには100gあたり83mgの植物ステロールが含まれています。また、アボカドは体重をコントロールし、腸の健康を促進する働きがあります。アボカドには100gあたり6.7gの食物繊維が含まれており、これは1日の推奨(米国)摂取量の23%に相当します。

食物繊維を多く含む食事は、満腹感を長持ちさせ、食欲を抑制する効果があります。『Journal of Nutrition』誌の研究では、アボカドの摂取により、体重、BMI(肥満度の指標)、ウエスト周囲径が減少したことが報告されています。

アボカドは脂肪分が多いため、他の果物や野菜よりもカロリーが高くなります。例えば、アボカドは100gあたり160キロカロリーですが、同じ量のブロッコリーは39キロカロリーしかありません。体重を管理する必要がある人は、アボカドを摂取する際に総カロリーを考慮する必要があります。

また、アボカドにはカリウムが豊富に含まれており、100g中507mgのカリウムが含まれています。バナナもカリウムを多く含みますが、100g中326mgです。カリウムは血圧を下げ、心臓の健康を維持する働きがあります。

(翻訳・井田千景)

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