(翻訳者注:本記事は、台湾大紀元にも掲載されたサウナの効能をご紹介する内容ですが、「高血圧の人の長時間入浴」「脳卒中の既往症のある人」「糖尿病、心臓病等の慢性病をもつ人」などは、サウナを利用する前に、必ず医師にご相談ください)
サウナを活用した入浴は、心血管疾患のリスクを低下させ、健康寿命を延長することができます。
サウナの歴史は数千年?
北欧のフィンランドでは、古くからサウナを楽しみ、湯気のなかで家族や友人と語らう時間も含めて、健康的な生活に欠かせないものとしてきました。最も古いサウナの形態は、なんと石器時代からあるとされていますので、その歴史は数千年にも及びます。
健康寿命とは、一生のうちで、病気や寝たきりではない「健康でいられる年数」のことです。サウナを上手に活用することは、この健康寿命の延長に役立つ可能性があります。
通常のサウナは、室内温度が45~100℃で、熱したサウナストーンに水をかける「ロウリュ」で蒸気を立ち昇らせることにより、利用者の体感温度を上げて発汗を促すものです。
蒸気による一時的な熱ストレスは体の中心部の温度を上昇させ、体温調節反応を引き起こします。この外的な温度変化が、体内バランスを回復するのに役立ち、体のストレスに対する抵抗力を高めるのです。
「温冷交代浴」が心臓を守る
続いて、水風呂または水シャワーを浴びたり、森の香りがする外気に触れるなどをします。
そうして体温を下げた後、再びサウナ室に入ることを繰り返す、いわゆる温冷交代浴です。
ある医学誌に発表された研究によると、フィンランド東部で中年の男性2300人を対象に行った調査で、「サウナに入る回数が多いほど、心臓病の発症および死亡リスクが低い」ことが分かりました。
具体的に言うと、週に2~3回サウナに入る男性は、週に1回しか入らない男性に比べて、心血管疾患の発症リスクが27%低くなっていました。また、週に4~7回サウナに入る男性は、心血管疾患のリスクが50%減少しました。さらに、あまりサウナに入らない人に比べ、サウナに入る人の死亡率は40%下がったと言います。
健康増進に役立つサウナ
サウナ浴の代表的な健康効果として、「全身の血管を拡張して、血液循環を良くする」が挙げられます。
その結果の1つが「血圧が下がる」ですが、バスタブのお湯につかる通常の入浴に比べて体に水圧がかからないため、サウナの効果は高いとされています。
その他、サウナ浴は以下のような効果が期待できます。
「ストレスの軽減および抗炎症作用」「自律神経の調整」「血中脂質の調整」「心肺系の改善」「肺疾患リスクを低減」「頭痛の軽減」「関節炎の改善」「体内デトックス(解毒)の強化」など。
脳の健康維持にも有効
サウナの浴室でリラックスすることは、脳の健康を守るというメリットもあります。
ある調査によると、週に1回しかサウナに入らない男性に比べ、週に4~7回サウナに入る男性は、認知症リスクが66%低下したと言います。
また、サウナの浴室に静かに座っていることは、ややハードな運動をするのと似たようなメリットが多くあります。
健康な同一女性による比較研究では、45分間の赤外線サウナと、45分間の室内自転車運動を比較したところ、血圧や心拍の変動において同様の反応がみられました。
これらの報告は、サウナが心臓血管系に有益な影響を及ぼすことを示唆するものです。
ただし、運動の代替としてサウナに行くよりも、運動で心地よい汗をかいた後にサウナを利用する方が良いと言えます。
適度な運動は、やはり筋力の維持や肥満防止に欠かせないものだからです。
なお、健康な人でも「飲酒、泥酔状態での入浴」は非常に危険ですので、絶対にやめてください。サウナによる発汗で、先ほど飲んだアルコールが抜けることはありません。
しかもアルコール代謝の作用で、尿量が普段より増えています。
そのため、発汗と相まって急激な脱水症状を招き、サウナの浴室内で昏倒する危険があるのです。
(翻訳編集・鳥飼聡)
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