2018年11月6日、中国広東省珠海市の航空ショーに出た中国空軍Y-20輸送機。(WANG ZHAO / AFP)

中国軍、セルビアに地対空ミサイルを提供か 欧州で初

米AP通信によると、中国政府はこのほど、ロシアと友好関係にあるセルビアに防空システムをひそかに提供した。ロシア軍によるウクライナへの攻撃が続く中、セルビアの軍拡はウクライナに近いバルカン半島の平和を脅かしていると指摘した。

同報道によると、中国空軍のY-20輸送機6機が9日朝、セルビアの首都ベオグラードの空港に到着した。輸送機にはセルビア軍に受け渡す中国の地対空ミサイルシステム「紅旗-22(HQ-22)」が積まれていた。

軍事専門家は、中国軍のY-20輸送機は北大西洋条約機構(NATO)の加盟国であるトルコとブルガリアの領空を通過したと指摘し、中国側はその戦略輸送能力を誇示しようとする狙いがあるとした。

▶ 続きを読む
関連記事
[ブダペスト 24日 ロイター] - ハンガリーと中国は、ハンガリーの首都ブダペストとセルビアの首都ベオグラードを結ぶ高速鉄道の建設資金の85%前後を中国が融資することで合意した。残りの15%はハンガリーが拠出する。バルガ財務相が24日、発表した。 バルガ財務相は自身のフェイスブックに投稿したビデオで、中国の融資は固定金利で、早期返済のオプションがあると説明したが、具体的な融資条件は明
欧州議会の超党派26議員は、中国傾斜が強まるEU加盟交渉国のセルビアの状況を懸念している。議員らは欧州委員会に書簡を送り、中国投資の影響に対応するよう求めた。
セルビア中部に位置するラディナック(Radinac)村の住民は、5年前に中国企業が地元の製鋼所を買収した後、がんの発症率が急速に上昇した。工場から出る大量の赤いほこりが原因だとみられる。
セルビアの中国工場で働くベトナム人労働者が11月中旬、劣悪な生活・労働条件などに抗議して2回目のストライキを行った。この件は、セルビアの国内ニュースで大きく取り上げられ、人権団体や欧州議会議員が関心を寄せている。
セルビアでは11月、中国のタイヤメーカー、玲瓏タイヤの現地工場で、ベトナム人従業員数百人が、劣悪な労働環境などに抗議して大規模なデモ活動を行った。