ご飯を冷蔵庫に入れて温めなおすと太りにくいという説がありますが、温めた夜食を食べることは、必ずしもダイエットに役立つとは限りません(Shutterstock)

お米は冷やしてから食べるとダイエット効果がある説は本当か?

を食べると太るのではと心配される方も多いと思います。巷ではご飯冷蔵庫に入れて温めなおすと太りにくいという説がありますが本当でしょうか?

ご飯は冷蔵庫で冷やしてから再加熱

BBCのドキュメンタリー番組「The truth about carbs」では、でんぷん質の食品のカロリーを抑えるには、しばらく冷蔵庫に入れておき、食べるときに再加熱するのが一番良いと言われていました。

パン、米、芋、麺類などのでんぷん質の食品は冷蔵すると、消化しやすいでんぷんから、消化しにくいレジスタントスターチに変化するからです。

レジスタントスターチは複雑な構造をしているため消化吸収されにくく、満腹感を長持ちさせ、食後の血糖値が急激に上がりにくいので、脂肪に変わるのを防いでくれるそうです。また、レジスタントスターチは腸内細菌の栄養となり、食物繊維の一種として扱われます。

したがって、このドキュメンタリーによれば、食べる前にデンプンを凍らせることで、デンプンの食べ過ぎによる肥満のリスクを減らすことができるということです。

2015年に『Asia Pacific Journal of Clinical Nutrition』に発表された研究も、この見解に共鳴しています。

生温かいご飯、室温で10時間冷やした冷たいご飯(20℃)、24時間冷蔵後に再加熱したご飯(4℃)の3種類を用意し、レジスタントスターチの含有量を比較しました。

炊きたてのご飯には0.64g/100gのレジスタントスターチが含まれ、冷めたご飯には1.30g/100g、冷凍して再加熱したご飯には1.65g/100gと最もレジスタントスターチが多いことがわかりました.

冷蔵再加熱米にはレジスタントスターチ(難消化性デンプン)が含まれています(Shutterstock)

ご飯にカリフラワーを混ぜる

ご飯を冷蔵し、再加熱することは、太りにくくなる方法として考えられますが、なかなか難しく、大きな効果が得られるとは限りません。食べる量が多い方にはご飯をカリフラワーと合わせることがおすすめです。

栄新病院の李婉萍氏によると、1回の食事でご飯を2杯食べる人は、ご飯1杯とカリフラワーを組み合わせるといいそうです。カリフラワーは非常に低カロリーです。

さらに、レジスタントスターチは、玄米、オーツ麦、トウモロコシ、小豆、インゲン豆、黒豆、落花生、ジャガイモ、グリーンバナナ、パスタなど、多くの食品に含まれています。

調理時間を長くしたり、加熱しすぎたりしないことも、レジスタントスターチをより多く保持できます。

また、でんぷん以外の食事の内容も、ダイエットの成功に影響します。例えば、ご飯1杯のカロリーは約280kcalですが、甘い飲み物やドーナツを食べると、簡単にその量を超えてしまいます。

じゃがいもやさつまいもにも難消化性でんぷんが含まれています(Shutterstock)

(翻訳・呉思楠)

 

関連記事
寒い季節こそ、ゆったり過ごし心身を整えるチャンス。睡眠や食事、メンタルケアで冬を快適に楽しむ方法をご紹介します。
50年以上前から次世代の食料として研究されてきたオキアミ(プランクトン)。クジラなどの海洋性生物にとっては生存のための原初的な存在だ。そのオキアミからとれるオメガ3が注目されている。本文にあるようにオメガ3は人の健康にとっても有益なものだ。クリルオイルは、オメガ3と抗酸化成分が豊富で人気のある健康補助食品。フィッシュオイルに比べてコストが高い点が難点だが……
仏に対抗しようとした調達が、暗殺未遂や陰謀を重ねた末、地獄に堕ちるまでの報いの物語。
「犬に散歩される」気の毒な飼い主たち、笑っちゃってゴメンの面白動画→
過度な運動や減量で陥りやすい「低エネルギー可用性」。エネルギー不足が体に与える影響とその対策について、専門家のアドバイスを交え解説します。