「箱のジャガイモはなぜ緑色になるの?」食べられるけど、ちょっと注意して
味が良い上に、調理しやすいことで、どこの国でも人気があるジャガイモ。
ジャガイモは、ある程度の保存が効く食材ですが、特定の条件のもとではすぐに発芽したり緑色になったりします。
ジャガイモの芽や緑色になった皮の部分には、ソラニンに代表される糖アルカロイドが含まれています。その毒性によって、まれに健康被害が出る場合もあります。
専門家によると廃棄するのが最も簡単な解決策ですが、ひどい場合でない限り、必ずしも全てを廃棄する必要はなく、部分的に切除するなど、適切に処置すれば食べられることが多いものです。
お店から買ってきたジャガイモは、発芽や緑化を防ぐため、光が当たらない暗所に保存します。
そもそも、保存しているジャガイモが、なぜ緑色になるのでしょうか。
植物中にあるクロロフィル(葉緑素)は、明反応によって光合成をおこなうことがその使命です。箱に入れられたジャガイモも、わずかな光を最大限に生かすために、葉ではない実の部分まで緑色に変えて、自身が生きるため懸命に光合成をしようとするのです。
ところが、ここで困った物質が発生します。
野外の自然光であれ、室内の照明であれ、ジャガイモの発芽や緑化は、防衛毒素である糖アルカロイドの発生をともないます。この物質を大量に摂取すると、まれなケースではありますが、消化管の不調、頭痛、神経系の異常を引き起こすことがあるのです。
ジャガイモの発芽を抑制するにも冷暗所に保存することが第一ですが、高温多湿であることも発芽を促進しますので、できるだけ風通しの良い場所が望ましいでしょう。
しかし、乾燥しすぎても食材としての価値が下がります。段ボール箱や木箱に入れたジャガイモは、味が落ちないうちに食べきりましょう。購入する際は、一定期間で食べきれる量を買うようにしてください。
また、同じ箱にタマネギがあるとジャガイモが発芽しやすくなると言われていますので、タマネギからは離します。
発芽したり、緑化した部分は、調理前にナイフで除去すれば基本的には食べられます。
ピーラー(皮むき)の角についている「芽とり」の突起が、きっと役に立ちます。
ただし、ひどく発芽して軟化してしまったジャガイモは、苦味が出てとても食べられないので、残念ですが捨てるようにしましょう。
(翻訳編集・鳥飼聡)