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古代中国の非凡な医術 生死さえ予知した名医(2)

広東省従化県(現広州市)出身の劉邦永は、子供の頃から他の人にはない才能を持っていた。山で薪割りをしながら生活していた劉邦永はある日、山中で隠士に出会った。劉邦永の非凡な才能を見抜いた隠士は古くから伝わる治療法を伝授した。その後、その奥深さを理解した劉邦永は、街頭で医術を行うようになった。

彼は患者を診る時、その顔や様子を見るだけで、どこが悪いかが分かった。薬の処方も、古来の処方にこだわらなかった。治療の方法は予測不可能で、一般人にはわかりにくいが、彼の処方箋は、毎回病気を治すことができた。地元の人たちは、その腕前に感心し、治療を受けに来る人が頻繁に往来した。

劉邦永の太素脈も非常に素晴らしく、指一本で脈を診るだけで患者の運勢や運命を予知することができた。 彼はまだ治りそうな患者には喜んで処方箋を出し、余命が幾ばくもないような患者には死ぬ日を告げた。

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