サツマイモと白米「どちらが健康的ですか?」

「焼いたサツマイモ」と「炊きたての白飯」。どちらもおいしさでは引けを取りませんが、より健康に役立つのはどちらでしょうか?

先日、友人が温かい「焼きいも」を持って私の家へ来ました。

私はその時、食事をしたばかりだったので、「熱いうちに食べて」という友人の勧めを断ったのですが、友人は「Stella。なにを言うの。サツマイモは栄養があるし、食べても太らないのよ」と言って、さらに強く私へ勧めてきます。

友人の好意は有難いのですが、ちょっとサツマイモについて誤解しているようでしたので、この場をお借りして、栄養士である私から、友人に説明したいと思います。

1、「サツマイモと白米」の栄養比較

単純に、どちらが栄養的に優れているかというと「サツマイモの勝ち。白米の負け」です。

サツマイモと白米は、いずれも食品分類上「全穀雑糧類」に属します。主な栄養素は「炭水化物(俗にいう糖)」であり、少量のタンパク質脂肪を含みます。

「全穀雑糧類」に含まれる栄養素の量は、食べる時点での加工度によって異なります。加工すると、ある程度栄養が失われるので、同じ米であっても「原形」に近い玄米は、「精製」された白米より栄養価が高くなります。

ここから得られる答えとして、「原形に近い食物である雑穀や根茎菜類を多く食べ、精製された白米や小麦粉で作った食物は、できるだけ少なめにする」が推奨されるわけです。

そこで単純に比較すると、仮にカロリー(熱量)に大差がなかったとしても、ビタミンミネラル食物繊維など複数種類の栄養が摂れるサツマイモと、炭水化物に偏る白米では、前者のほうが優れているという判断になります。
 

2、「サツマイモと白米」食べ方の比較

食事全体として見てみると、「サツマイモを単独で食べる」よりも、「白米を主食として、おかずや副菜と一緒に食べる」という食事のほうが、総合的な栄養バランスが優れていることになります。

台湾でよく見られるサツマイモの食べ方は、直接食べる「焼きいも」や「蒸しいも」。米と一緒に炊き込む「芋ごはん」や「芋粥」。さらには加工してお菓子やケーキにする。天日に干して「干しいも」にする。油で揚げて砂糖をからめ「大学いも」にする、などがあります。

いずれにしても、サツマイモは「それを単独で食べる」という傾向が強いようです。

これに対して主食の「ご飯」は、詳しく説明する必要もありませんが「他の食材とともに、バランス良く食べる」ことが前提となっていますので、サツマイモだけを食べるより健康的ということになります。
 

さまざまな食材を食べるスタイルは、サツマイモだけを食べる食習慣よりも栄養バランスが優れています。(Shutterstock)

3、「サツマイモと白米」のカロリー比較

「サツマイモが絶対良い」と思って、サツマイモを多く食べる人は、加工に使う油や砂糖も含めた総カロリー量に注意しなければなりません。

サツマイモ自体は、優れた栄養があります。例えば、サツマイモを焼くだけのシンプルな加工ならば、焼き芋200gのカロリーは「ご飯1杯」と同じくらいです。

ところが、サツマイモを材料とするお菓子や加工品のなかには、多量の油や砂糖を使うものがあります。サツマイモがお好きな人は、これらの摂取にも、ぜひ注意していただきたいのです。

そこで結論です。サツマイモは、ご飯と同じように「でんぷん」を多く含む食物なので「代食」にする、つまり「主食の白飯の代わりに、サツマイモを食べると良い」ということです。

では毎日の食事ではなく、間食としてサツマイモを食べる場合は、どうしたら良いでしょうか。
できるだけ「焼く・蒸す・干す」などの「原形に近い食べ方」を中心にするとともに、サツマイモの摂取量そのものを控え目にする、ということです。

体に良いサツマイモでも、食べ過ぎれば、やはり太ってしまいますよ。

(文・Stella/翻訳編集・鳥飼聡)