ロシア外相「戦争望まず」、ウクライナ問題で駐ロ米大使は懐疑的
[ブリュッセル 28日 ロイター] – 米国のサリバン駐ロシア大使は28日、ウクライナ問題を巡りロシアは戦争を望んでいないと言っているが、ウクライナとの国境に軍を集結させており、米国との交渉で「テーブルに銃」を置いているようなものだと指摘した。
ロシアのラブロフ外相はこれに先立ち、国内ラジオで戦争は望んでいないと語った。
サリバン大使はモスクワからのオンライン会見で、ロシア軍の大量派兵は「異例」で、通常の軍事演習という説明はできないとし、「これは協議のテーブルに銃を置いて平和を望むと言っているのに等しい。これは脅しだ」と述べた。
「ロシア政府が言葉通り、ウクライナへのさらなる進攻を計画、実施しないことを希望する。しかし、事実は侵攻が可能なことを示す」と指摘。米政府は現在、米と北大西洋条約機構(NATO)がロシアに送った書面回答に対するロシア側の反応を待っているとした。
米とNATOの書面回答には、欧州での軍事演習やウクライナへの武器売却に関する透明性向上に向けた提案が盛り込まれており、「ウクライナにおける攻撃兵器システムなどについてロシア政府と相互の透明性の可能性や、欧州での軍事演習に関する信頼醸成措置に対処した」と語った。
サリバン大使は、外交が事態打開の唯一の手段との見解を改めて示し、米ロ外交当局者による電話会議ないし対面会合が開催されることに期待を示した。
一方で、ロシアがウクライナに侵攻した場合の対ロ経済制裁は西側の対応の一つに過ぎないとし、輸出規制や欧州防衛体制の強化、ロシアからドイツに天然ガスを送る新パイプライン「ノルドストリーム2」の運営を米国が阻止するといった措置も想定されるとした。
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