不眠症に悩む人の中には、せっかく眠ったのに夜中に目が覚めてしまうという人もいます。 また、睡眠の質が悪いと、睡眠不足になり、健康被害が発生することもあります。 寝る前にお風呂に入ることで、入浴温度と入浴時間を一定にすれば、眠りにつきやすくなるという研究結果が出ています。
眠りを誘うベストなタイミングでお風呂に入る
慢性的な睡眠不足は、高血圧、糖尿病、心臓病、脳卒中、うつ病などのリスクを高め、深刻な健康被害をもたらす可能性があります。 夜更かしとは別に、睡眠不足の原因は睡眠の質の低さにも関係しています。
国際的な有力学術誌「Sleep Medicine Reviews」に掲載された最近の報告によると、就寝の1~2時間前に熱い風呂に10分間浸かると、寝つきがよくなり、睡眠の質も向上することが示唆されています。
この研究は、米国テキサス大学オースティン校生体医工学科のシャハブ・ハガイグ氏によって行われ、熱いシャワーが夜間の睡眠に与える影響に関する5322件の研究を分析したもので、就寝の1~2時間前に熱い風呂に入り、湯温を40℃~42.8℃に保つことが、深い眠りに入りやすくし、平均睡眠時間を10分長くし、睡眠の質を高める効果があることがわかりました。 お風呂もシャワーも、10分もあれば十分です。
研究者たちは、人は熱い風呂やシャワーに入ると、体温調節システムが刺激され、体の芯から四肢への血流が著しく増加し、体の熱を表面に運んで発散させ、効果的に体温を下げることができ、結果、生理的に適切な時間帯(就寝の1~2時間前)に熱いお風呂やシャワーを浴びて体温を下げると、早く眠れ、睡眠の質を高めることができると説明しています。
寝る前に落ち着いた気分でいることも重要
入浴で眠りを誘うのはもちろん、就寝前に穏やかな気分で過ごすことも、睡眠の質を高めることにつながります。
また、血圧の薬や抗うつ剤、利尿剤、心臓のリズムを整える薬などを服用している人の中には、徐々に睡眠障害が強くなり、寝返りを打ってもなかなか眠れないという人もいるようです。 このような場合は、薬の必要性や変更の可能性について、主治医と相談することをお勧めします。
毎晩2〜4時間の深い睡眠をとれば、体は日中にダメージを受けた細胞を自動的に修復することができます。 よく眠れないと、体の自然治癒力が十分に発揮されず、長い目で見ると病気になりやすくなるのです。
(翻訳・井田千景)
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