今年の「旧正月」の元旦は2月1日。
日本語で大晦日と呼ぶ「除夕(除夜)」は1月31日です。
お腹いっぱい食べる「お正月の餃子」
ちなみに「春節」というのは、中国共産党政権による政治的な造語であり、伝統的な名称ではありません。
中国や台湾、ベトナム、韓国などで旧正月は大切な節句であり、新暦の元旦よりも、こちらのほうが圧倒的にメインの「お正月」になっています。
中華圏の国々や、華人の家庭では、年越しの夜に家族みんなでテーブルを囲み、山のように盛ったごちそうを食べます。もちろん、大皿で湯気をたてるアツアツの水餃子が、心おどる正月料理の主役です。
お正月に限らず、寒い季節には、家族みんなで皮から作る水餃子が華人の食卓によく上ります。日本で一般的な「焼き餃子」は通常ないのですが、前の晩に作りすぎて余った水餃子を、翌日フライパンで焼いて食べることはあります。
こうして大勢で賑やかに食べる水餃子は、日本人が見れば驚くほど大量です。これをお腹が破裂するほど食べるのが中国式だと彼らは言います。それはもはや、日本の焼き餃子のような「おかずの一品」ではないようです。
こうして作る「低糖ダイエット餃子」
さて、ここで一つ、こんな想像をしてみます。
もしも、テーブルを囲む華人家族のなかで、最も敬意を払うべき最年長者が「糖質制限を必要とする糖尿病患者」であったなら、どうでしょう。きっと箸をのばす皆の手も、遠慮がちになってしまうのではないでしょうか。
そこで、食事制限のある病気療養中の人でも、あるいは減量やダイエット中の人でも、それぞれの許容範囲のなかで、皆と楽しく食べられる「低糖ダイエット餃子」を考えてみましょう。
豚ひき肉は、ビタミンB1が摂れますので具材に適量使いますが、なるべく脂身が少ない赤身を選んでください。具材のメインは、食物繊維の白菜と、ビタミンB1とアリシンが豊富なニラです。アリシンは、ビタミンB1の吸収率を高めますので、ダイエット効果があります。
具材には、すりおろしたショウガを加えましょう。ショウガに含まれる辛味成分のギンゲロールには脂肪燃焼効果があります。餃子の皮は薄めにして、野菜中心の具材を、たっぷり包みます。
調理は、焼き餃子ではなく、大鍋で茹でる水餃子にします。水餃子のほうが、フライパンで焼く油を使わないのでカロリーを抑えることができます。
茹でた餃子を食べる際には、油分を抑えるためラー油やゴマ油にはつけず、酢に塩少々を加えた「さっぱりダレ」を試してみてください。
蛇足ながら、ダイエット餃子を肴にしてのお酒やビールは、元も子もなくなりますのでお控えくださいませ。
(文・蔡雅/翻訳編集・鳥飼聡)
ご利用上の不明点は ヘルプセンター にお問い合わせください。