ここで言う「富裕層」とは、流動性金融資産が100万ドルに達した人を指します。
流動性金融資産とは、主な居住用不動産、収集品、消費財および耐久消費財などを除いた「投資可能資産」のことで、それを100万ドル(約1.1億円)以上所有する世帯を富裕層(HNWI、High-Net-Worth Individual)と定義しています。
2021年の『世界財富報告』によると、北米の富裕層がアジア太平洋地域を抜いて、2020年には第1位となりました。
私は高級品をあつかうデザイン業界で10数年の業務経験があり、北米やニューヨーク地域を主とする多くの富裕層と関係を築いてきました。
その過程で私は、富裕層である彼らに共通する「8つの特徴」を発見したのです。
1、「優秀な人」と付き合う
富裕層である彼らは皆、自身をサポートする素晴らしい人間関係を持っています。
つまり彼らは、多くの「優秀な人」との関係を築くために、自分の時間を優先して使っているのです。
彼らがよく口にする、こんな言葉があります。
「自身の未来は、時間をどのような人と過ごすかにかかっている。多くの時間を、志の低い人とともに過ごすならば、自身の目標を達成することはできない」
「あなたが、明確な目標を持つ勤勉な人と一緒に過ごすならば、あなたは彼らに励まされ、有意義な影響を受けるだろう」
2、ビジネスにおいて感情的にならない
商談をするとき、彼らは常に冷静かつ客観的にふるまいます。
彼らは、ちょっとした言動から、自分の内心が相手に読まれることを知っているのです。もし彼らが、一つの交渉について100%把握できなければ、彼らは時間をかけてでも第三者に協力を求め、交渉を支援してもらうようにするでしょう。
交渉の過程で感情の動きを全てなくすことはできないし、そうであっては逆に交渉が成立しません。しかし、自他それぞれの感情を、理性的に読みとることはできます。
感情を交えずに相手と交渉できるように、自身を鍛える良い方法は何でしょうか。
それは、無意識のうちに日々そのようなトレーニングを積み、最も客観的な状態を保つよう努めることです。
3、時間を効率よく使う
彼らにとって、たとえ1分間の時間も貴重なものです。
逆に言うと、彼らは人生に付加価値をもたらさないことに時間を浪費しないのです。
富裕層である彼らは、時間を最も贅沢な財産であると考え、「その時間を、誰とともに過ごし、何をするか」を選択する上で、厳しくチョイスします。
時間管理は、生活の中で非常に重要な一面です。最も基本的な時間配分の技能を身につけるよう自己訓練することは、後で自身に意外な収穫をもたらすのです。
4、恐れの場面を「チャンス到来」とみなす
彼らを観察していて感心するのは、彼らが新しいビジネスの不確定要素に直面して、頻繁に見せる勇気です。
彼らは、圧力や不確実性に対する恐怖を、全く新しい方法で捉えています。つまり、不確実性がもたらす恐怖心を「個人の成長の機会」と捉えているのです。
チャンスはどこにでもあり、それらを恐れずに掴むことを学ばなければなりません。
ところが、一般の人は失うことを恐れて行動しないのです。そこが富裕層である彼らと一般人の異なる点です。
5、約束を必ず果たす
これらの富裕層は、自分の名声を重視しています。
彼らは人と交わした約束は必ず実行するだけでなく、誠実に人を助けることを喜びとしています。そして、いつも約束より多くのことを相手に還元します。
約束をすることは難しくありませんが、多くの人はその約束を果たせません。
他人と信頼関係を築き、自分の名声を高めるためには、承諾して請け負う部分を少なくする一方、より多くのことを相手に還元するようにするのです。
6、自分をよく管理する
自分を管理するのは容易なことではありませんが、彼らのような富裕層は、誰もが自分で自分を管理するしかないことを知っています。
自分のことを気にかけて、よく自己を管理するのは「利己的」だからではありません。
それこそ他人のためなのです。自分を律し、自己の行動に責任を負うことが、人を助けることの楽しみ、他人の成功を喜ぶことにつながるのです。
7、失敗にも直面できる.
これら富裕層の人は、ビジネス上の成功だけでなく、失敗にも直面することができる人たちです。
彼らは、失敗も人生の一部だと思っています。
企業を発展させるには、たとえその過程が長くても、時として失敗に直面することを学ばなければなりません。失敗は、やる気、創造性、忍耐力を奮い立たせるものです。
失敗から立ち上がる回数が多いほど、人は強くなれます。
8、教育を重視する.
富裕層は、自分の子供や自社の社員の教育に力を入れているだけでなく、自ら学び続けています。
これにより、彼らは常に時代に遅れず、より多くの機会を得るとともに、生活の質を改善することができます。
ただし、勉強は自分の選択でなければならず、強制されて行うものではありません。
自己学習は自己啓発にとって非常に重要であるとともに、モチベーションの向上や、新しいスキルの習得など、長期的な利益をもたらします。
(文・Marilisa Barbieri/翻訳編集・鳥飼聡)
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