心臓病の予防には、ビタミンEのサプリメントが最も効果的です(Shutterstock)

心臓病の予防には、ビタミンEが最も効果的

2人に1人は心臓病で亡くなります。 抗酸化作用のある栄養素は、心臓の保護に役立ちます。 抗酸化物質のパイオニアであるパイク博士によると、ビタミンEは心臓に最も効果的な作用のあるビタミンです。ビタミンC、コエンザイムQ10、フラボノイド、リポ酸などの抗酸化栄養素と組み合わせると最も効果的だということです。

2人に1人は心臓病で亡くなりますが病気の原因として油脂の酸化があげられています

抗酸化物質は、男女の第一の死因である心臓病から強力に守ってくれます。心臓病はほとんどが加齢に伴う病気で、主に中年になってから発症します。実際、2人に1人は心臓病で亡くなっています。39歳以上の男性の死因では、心臓病がトップです。また、60歳を過ぎると、女性の死因のトップになります。

心臓病の最初の兆候は心筋梗塞です。しかし、心筋梗塞が起こる数十年前から、心臓に血液を送る動脈に硬い塊が蓄積され始めます。 その後、血栓は成長を続け、心臓につながる血管を物理的に塞ぎ始めます。

心臓病が命取りになるかどうかは、生活習慣も重要な要素になります。 喫煙、食生活の乱れ、座りっぱなしの生活、ストレスの多い生活なども心臓病の原因となります。 抗酸化物質を豊富に含む食事とサプリメント療法を組み合わせることで、心臓を健康に保つことができます。

特に、リポ酸、ビタミンEファミリー、ビタミンC、コエンザイムQ10、フラボノイドなどは、健康な心臓を維持する上で大きな違いがあるはずです。

ネットワークの抗酸化物質はどれも重要ですが、ビタミンEは心臓に最も効果的なビタミンであることが研究で明らかになりつつあります。今から40年以上前、私の友人であり同僚でもあるタッパーが、ビタミンEが油脂の過酸化反応の発生を防ぐことを発見しました。過酸化はフリーラジカルによって引き起こされ、体内の油分やタンパク質にダメージを与えます。現在では、油脂の過酸化が心臓病の原因であると考えられています。

脂質の過酸化が心臓病の主な原因であり、ビタミンEが過酸化を防ぐことができるのであれば、食品やサプリメントでビタミンEを最も多く摂取している人が心臓病のリスクが低いのは当然です。 何十年もの研究の結果、ほとんどの研究者が同じ結論に達しています。

油の過酸化が心臓病の主な原因であることから、ビタミンEは心臓病のリスクを減らすことができます(Shutterstock)

4つの抗酸化栄養素を含むビタミンE が心臓を守る

1.ビタミンEが多いほど、心臓病になりにくい

ヨーロッパで20の異なる異文化の民族を対象とした大規模な研究が行われました。 この研究で北欧に暮らす人々は南欧で暮らす人々よりも、心臓病で死亡する可能性が高いことを発見しました。その差は恐ろしいものでした。 

北欧では人口10万人あたり年間350~400人程度、南欧では人口10万人あたり年間100人程度の割合で心臓病で亡くなっています。 なぜ、北欧では心臓病による死亡率が高く、南欧では低いのでしょうか? この質問に対する答えはいくつかあります。いずれもビタミンEが心臓を救う能力があることがわかりました。

まず、研究者たちは、高コレステロールと心臓病による死との直接的相関関係があることを発見しました。血中コレステロール値が高い人は、心臓病で死亡するリスクが最も高いことがわかりました。これは、血中コレステロール値が高いということは、低密度リポタンパク質(悪玉コレステロールとも呼ばれる)の値が高いということであり、過酸化反応が最も起こりやすい状態であることを意味しています。

また、血漿中のビタミンE濃度が高い人ほど、心臓病による死亡率が低いこともわかりました。 これは、地中海食として知られる南ヨーロッパの健康的な食事が、オリーブオイル、緑黄色野菜、さまざまな果物などの有益なビタミンEを豊富に含み、さらに抗酸化物質を多く含む食品や飲料が豊富であることを反映しています。

血中コレステロール値の平均値が同じ8つのグループを比較したところ、ビタミンEの血中濃度が最も高いグループが、心臓病の発症率が最も低いことがわかりました。どの数字から見ても、ビタミンEに勝るものはありませんでした。

これまでに行われたビタミンEの効果に関する最も劇的な研究は、心臓病の既往歴があると診断された患者のグループに対して行われました。 ケンブリッジ・ハート・アンチオキシデントスタディが行ったものは、心臓病と診断された2002人の患者を対象とした二重盲検プラセボ対照試験です。

患者は、試験時にビタミンEサプリメントまたはプラセボのいずれかを与えられました。 510日間の調査の結果、ビタミンEを摂取した患者の心臓発作の回数は、プラセボ群に比べて77%減少したことがわかりました。 このように良好な結果が得られたため研究を終了し、すべての患者にビタミンEを処方することにしました。

ビタミンEの仲間であるアルファトコフェロールには、LDLの酸化を防ぐ働きがあると言われています。 しかし、ビタミンEが心臓を保護するのは、これだけではありません。 第5章では、ビタミンEの一種であるトコトリエノールが、冠状動脈に蓄積した硬い塊をゆっくりと取り除くことができるという最新の研究結果を紹介しています。 

この研究では、医師が頸動脈狭窄症または頸動脈閉塞症の患者にトコトリエノール、またはプラセボを投与しました。 その結果は驚くべきもので、トコトリエノールを投与された患者の94%が改善、または安定した状態になりました。 対照群では誰も改善が見られず、半数以上の人が悪化しました。 ですから、心臓に血液を送る動脈にも、トコトリエノールが同じように奇跡的な効果をもたらす可能性が高いのです。

 

地中海食の人は、ビタミンEがを多く摂取する

2.ビタミンCとフラボノイドが血行を良くする

ビタミンEは単独では働かきません。ビタミンCが抗酸化物質のネットワークでビタミンEを還元するため、心臓の健康には非常に重要な役割を果たします。

カリフォルニア大学のジェームズ・インシュム氏が中心となって行った大規模な研究では、1日に50mg以上のビタミンCを摂取した人は、そうでない人に比べて心臓病で死亡するリスクがはるかに低いという結果が出ています。

フラボノイド(イチョウ葉やビルベリーなど)は、ビタミンCの寿命を延ばし、ビタミンEのレベルをさらに向上させるため、抗酸化ネットワークに重要な役割を果たします。これらの抗酸化物質は、心臓の筋肉に血液と酸素を供給する役割を担う血行を改善する効果もあります。 また、抗酸化物質はフリーラジカルを除去する重要な物質でもあります。

3.衰えた心臓を回復させるコエンザイム

コエンザイムQ10はビタミンEを回復させ、心臓病と闘うための抗酸化作用を維持するのに役立ちます。 コエンザイムQ10については、ピーター・ランス・ジョン博士や、私の友人である故カール・フォックス博士が行った有名な研究があります。 これらの研究により、コエンザイムQ10は心不全の治療には、信じられない効果があることがわかりました。 そのため、心臓病の家族歴がある人には、コエンザイムQ10のサプリメントを摂取することを勧めています。

コエンザイムQ10(Coenzyme Q10)は、ビタミンEの回復を助け、体内の抗酸化作用の維持をサポート

4.心臓障害を防ぐリポ酸

心疾患の予防におけるリポ酸の役割は、過小評価されるべきではありません。パーカー研究所では、リポ酸がフリーラジカルによるダメージから心臓を守るのに有効であることを証明しています。 人間の心臓にも同じような影響があると確信しています。

一般的には、すべてのネットワーク抗酸化物質、特にリポ酸は、糖尿病の予防に役立つと言われています。 実際、米国では糖尿病はすでに一般的で、心臓病の発生率を大幅に増加させる原因となっています。 糖尿病は、フリーラジカルが多すぎ、抗酸化物質が少なすぎるという酸化ストレスの環境下で発生します。これは心臓病の発症に最も適したシナリオです。

心臓病に関しては、抗酸化ネットワークとその増強物質が協力して、私たちのために働いてくれますし、一般的な加齢に伴う病気に打ち勝つことにも役立ちます。

(翻訳:志水慧美)

 

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