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漢方医おすすめ秋冬ダイエット法「3カ月で10%減量」

「きちんとカロリー管理しているのに、どうしても太ります。何か良い方法は、ありませんか?」

そんな切実な悩みと疑問に、台北市にある上璽漢方医診療所の院長・余雅雯氏が、お答えします。併せて、「半分の努力で、倍の効果がある減量方法」をお伝えします。

ダイエット成否のカギは「内分泌ホルモン

内分泌は、ダイエット効果に影響を与える要因です。

減量を目的とするダイエットには、従来から「食事管理によるカロリー制限が重要である」と考えられてきました。

しかし医学者たちは、特にこの10年間に、カロリーを控えた食事を心掛けている人でも太る人が増えていることを発見しています。

余氏は、「ダイエットの成否を握るカギは、実は内分泌ホルモンにあります」と言います。

「内分泌は、脂肪細胞の貯蔵あるいは放出を支配する重要な因子なのです」。

ダイエットの成否に影響を与える三大内分泌ホルモンは、以下の通りです。

1、 インスリン

膵臓から分泌されるホルモンの一種で、 糖の代謝を調節し血糖値を一定に保ちます。

2、 エピネフリン

アドレナリンとも言います。非常事態になり、危機感をもった人体は自然にエピネフリンを分泌します。それは血糖値の昇降に影響するだけではなく、インスリンのメカニズムも起動させます。

その一方、「細胞に脂肪をつかませて、肥満現象を起こすこともあります」と、余氏は話します。

仕事のストレス、睡眠不足、焦燥感などの生活上のストレスは、現代人の危機感を刺激

し、エピネフリン分泌を誘発します。

3、エストロゲン

エストロゲンは「女性らしい丸みのある体づくり」「妊娠の準備」などの役割をもちます。

エストロゲンの周期的な分泌により、女性は男性に比べて体重を減らすことが難しいと言われています。

「適度な運動」でホルモンを活性化させる

こうしたホルモンを適切に作用させるために、ぜひ取り入れていただきたいのが適度な運動です。運動は受容体の感度を高め、人体のホルモンを活性化させて、脂肪の代謝とダイエット効果を促進します。

余雅雯氏は、異なる2つの体型の人に合わせたダイエット法を、次のように提案します。

まず、泡芙(シュークリームの皮)のように「筋肉量は少なく、脂肪も多くない」タイプの人。

このタイプの人は、本当に太っているわけではありませんが、ただ体形に均整がとれていない点が課題として挙げられます。

まずは、適度な筋力トレーニングと、鶏むね肉、鶏卵、牛乳など良質なタンパク質を多く摂って、筋肉量を増やすことが求められます。 

次に、筋肉量は少なく、しかも体脂肪が多いという典型的な肥満タイプの人です。

まずは食事内容から変えて、上記のような低脂肪で良質のタンパク質を摂るとともに、ウォーキングなどの有酸素運動をすることで、余分な脂肪を燃焼させます。

その上で、このタイプの人には「3週間減量法」がオススメです。

「3週間減量法」では、まずデトックス(体内有害物質の排出)を行います。

具体的には、最初の1週間は野菜を大量に食べ、フリーラジカルや体の炎症を引き起こす物質を代謝することで、その後の減量を、さらに早く、効果的にすることです。

この「3週間減量法」を 3カ月続けることにより、現体重の8~10%減を目指します。

第1週は、全て野菜中心の食事にします。

2週目は、野菜と肉を適度に。

3週目は、青菜、肉、デンプン食をそれぞれ適度に摂ります。

4週目は、特に制限はなく、適量を食べます。

5週目からまた同じように循環して、全部で2サイクルします。

「この方法で減量すれば、経験的に3ヶ月で8~10%痩せることができます」と余雅雯氏は話します。

秋冬に必要なのは「の気」を守ること

一般の人は、普段の食事でも糖質の過剰摂取は控えましょう。

また、食事の順序を調整し、まず野菜を食べ、肉を食べ、最後に主食を食べます。

そうすれば、満腹感を早く高めるだけでなく、血糖の上昇速度も緩やかにすることができます。

また、秋から冬にかけては、体重を減らして「肺の気」を守ることが最も重要です。

「秋と冬に体重を減らすことで、肺の状態を良くしなければ、ダイエットをしても半分の効果も得られません」と余雅雯さんは話します。

秋冬の運動では、汗だくになるほど激しい運動は必要としません。

あまり激しい運動をすると、運動をした後に全身から汗が出たり気が抜けたりすることで、肺を消耗してしまいます。

漢方医学によると、肺に入るのは白い食材です。

この時期に食材を選ぶ時、白色の食べ物を多く選ぶことで肺の気を養うことができるのです。

例としては、里芋レンコン、菱角(ひしの実)、、ユリ根、白キクラゲなどがいいでしょう。

特にレンコン、菱角、里芋は、肺を養うばかりでなく、食物繊維が豊富で低カロリーであるためオススメです。

里芋は、主食の白米の代わりになるので、サツマイモよりも減量に適しています。

(文・Amber Running Green/翻訳編集・鳥飼聡)

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