中国が出資する巨大ダム「カンボジア住民の生活を破壊」=人権団体報告書
国際人権団体ヒューマン・ライツ・ウォッチは5日、「一帯一路」構想の一環として中国が出資するカンボジアの巨大ダムにより、数万人の村人の生活を破壊したとする報告書を発表した。
米国を拠点とする非営利団体は『水中:中国の一帯一路構想がカンボジアにもたらした人権侵害(Underwater: Human Rights Impacts of a China Belt and Road Project in Cambodia)』と題した137ページの報告書のなかで、中国が出資するセサン下流2水力発電所ダムの建設がもたらした、地元コミュニティの収入、生活、土地、食料や水へのアクセスなどの被害を分析している。
専門家はカンボジア政府によってメコン川流域で行われている7億8100万ドル(約860億円)の水力発電プロジェクトでは、地元住民との納得の行く協議がもたれることなく、住民は立ち退きを強いられ、充てがわれた補償は失われた資産を埋めるには到底見合わないものだったと述べた。
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