湿気を取り除き、癌を予防する赤飯
赤飯は誰もが子どもの頃に食べたことがあるかもしれませんが、ひと口食べたときに広がるもちもちした米粒と小豆の軽い香りは格別ですね。小豆の赤飯はとても伝統的な食べ物で、食材は簡単で、もち米、小豆と少しの調味料だけが必要ですが、もち米自体、滋養強壮食品なので、小豆を入れて、炊いたご飯はとても良い養生効果が期待できます。
赤飯の養生の秘密
中医師の朱雅莉は、もち米は甘味があり、温性で、脾、胃、肺経に入って、補中益気、健脾養胃、虚汗を止める効果があると指摘しています。小豆は甘味、平性で、利水除湿できて、腫れを消して解毒します。赤飯を食べて、温中、脾胃を補い、湿気を取ることができます。赤飯は脾臓が弱って湿気の多い人に適していますが、湿気の多い季節にも食べられます。
また、栄養学的には、赤飯には次のようなメリットがあります。
●抗がん・抗酸化
小豆が赤いのは、ポリフェノール類が豊富に含まれているからです。ポリフェノールには強い抗酸化作用があり、自然療法医の石原新菜さんによると、小豆はそのため、がん対策に適した食材だといわれています。赤飯を炊く際、小豆をたっぷり使ったゆで汁が、ポリフェノール系の栄養の含有量を増やします。
◎エネルギー補給、疲労回復
赤飯にはビタミンB群が豊富に含まれており、炭水化物を熱に変えることで身体に必要なエネルギーを補給し、疲労を改善してくれます。
●貧血の予防
女性の貧血の原因の一つに鉄分不足がありますが、赤飯は鉄分と葉酸が豊富で、貧血予防にも効果が期待できます。
●むくみの改善
小豆に含まれるカリウムは体内の余分なナトリウムや水分を排除し、女性のむくみ解消だけでなく、高血圧の予防にも役立ちます。
伝統的な赤飯の作り方
赤飯をおいしく栄養のあるものにするには、それなりにいくつかの技術が必要です。料理研究家で栄養士の堀江泰子さんは、赤飯の伝統的な作り方について解説しています。
材料(5~6人分)
もち米3カップ(600 ml)
小豆1/3カップ
黒ごま適量
塩適量
作り方
1. 1時間前にもち米を洗い、たっぷりの水につけておく。
2.小豆を洗って鍋に入れて、4カップの水を加える。煮立ったら、中火にして50分煮る。途中で水を足しながら、豆が柔らかくなるまで煮る。
ポイント
●小豆はあらかじめ浸けてはいけない、さもないと火が通りにくい。
●小豆の渋味が気になる場合は、最初に沸騰させたお湯を捨ててから、この手順に従って小豆を柔らかくする。
●小豆が柔らかくなった目印は、小豆を一粒取り出し割ってみて、芯が白くなっていれば良い。
3.小豆が柔らかくなったらザルにあげる。ゆで汁に水を加え、360mlにする。もち米に対して6割の水分で蒸す。
4. 浸けていたもち米をザルにあげ、余分な水気をしっかりとる。
5. 大きめの鍋かフライパンに3.のゆで汁を入れ、塩小さじ半分を加えて煮立てる。それからもち米を入れ、よく混ぜながら汁けを全部吸わせる。
ポイント
●ゆで汁が沸騰してからもち米を加えると、もち米に水分を吸わせる時間が短くなる。
●ほぼ汁けがなくなったら火を止めて、そのまま混ぜていると余熱でもち米に汁けが全部入る。
6.柔らかく煮た小豆を加え、もち米と軽く混ぜ、小豆が割れないように注意する。
7.湯気の立つ蒸し器の上に水気を絞った蒸し布を敷き、混ぜた小豆、もち米を広げて中央をあける。蒸し布をかぶせ、強火で15分から20分蒸す。蒸し上がったら、器に盛り、黒ごまをふる。
ポイント
●蒸す時に中央をあけておくと蒸気が早く上がって、均一に熱が回ります。蒸した赤飯は、すぐに食べない場合は蒸し布で覆います。
この方法で炊いた赤飯は、小豆のゆで汁の栄養がもち米によくなじんでいて、さらに赤飯は柔らかくて消化しやすく、少しの塩でほんのりとした味がして、香ばしくて口当たりがよいです。
(翻訳 源 正悟)
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