中国・北京で行われた記者会見で、中国の科興控股生物技術(シノバック・バイオ​テック)のテーブルの上に置かれた新型コロナワクチン候補「CoronaVac(コロナバック)」のシリンジ=2020年9月24日(Kevin Frayer/Getty Images)

「中国製ワクチン接種しても認めない」シンガポール保健省が方針

シンガポール保健省は、中国製の新型コロナウイルス(中共ウイルス)ワクチンを接種した人は、予防接種済者と見なさないと発表した。

同省は6日、「予防接種人数は、国の予防接種プログラムの下で接種した人のみを反映している」と発表した。同国は現在、モデルナ社のワクチンとファイザー/ビオンテック製ワクチンの接種を進めている。

同省は、中国の科興控股生物技術(シノバック・バイオテック)製のワクチンの有効性を示すデータが不十分であり、特にデルタ株に対する効果が不明だとしている。デルタ株は、現在同国で最も流行しているウイルス株である。

シンガポールでは、世界保健機関(WHO)が6月1日からシノバック製ワクチンの使用を緊急承認した後、6月中旬から個人開業のクリニックに同ワクチンの接種を許可した。7月3日の時点で、約1万7000人が1回目の接種を受けた。

保健省のケネス・マック氏は、他国のデータから、シノバック製ワクチン、コロナバックを接種した人が感染しており、大きなリスクがあると述べている。

また、シンガポールでは、シノバック製ワクチンを接種した人は、特定のイベントに参加、また一部の会場に入る前に検査を受ける必要がある。国の接種プログラムに参加した人は検査を免除される。

当局によると、海外でシノバック製ワクチン接種を受けた人は、シンガポールでファイザー社またはモデルナ社のワクチンを接種する資格があるという。ただ、政府は混合ワクチンの安全性を保証できないとしている。

中国製ワクチンの効果を不安視する国が増えている。

タイの保健省が、国内の医療関係者に一般的に接種されている中国製ワクチンの効果に疑念を持たれるのを避けるため、医療関係者に対する欧米製ワクチンのブースター(追加免疫)接種の見送りを検討したことを示す内部メモが流出した。

インドネシアでは、新型コロナウイルスに感染し6月に死亡したインドネシアの医師26人のうち、少なくとも10人は中国の製薬大手シノバック・バイオテックのワクチンを2回接種していた。

また、イタリアのドラギ首相が6月25日、中国製ワクチンを使用しているチリで新型コロナの感染が拡大していることに言及し、中国製ワクチンは有効性が不足しているとの認識を示したと報じられた。

4月には、中国疾病予防管理センター(CDC)の責任者である高福氏が、中国の一部のワクチン製品は「保護率があまり高くない」と認めたが、後にその発言は 「誤解 」だったと撤回した。

(翻訳編集・李沐恩)

 

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