「新疆の人権声明から撤回しなければワクチン止める」中国、ウクライナを脅迫
中国当局は、ウクライナが新疆の人権状況に懸念を示す声明を撤回しなければ、同国に出荷予定の新型コロナワクチンを差し止めると脅したという。欧米の外交官は25日、AP通信に対して述べた。
カナダは22日、国連人権理事会で「新疆入りと調査を認めるよう中国に求める」共同声明を読み上げた。ウクライナを含む40カ国以上が、この共同声明に参加した。
新疆ウイグル自治区で100万人以上が不当に拘束され、拷問や強制労働を強いられていると報告されている。
その後、欧米の外交官2人はAP通信に対し、中国はウクライナに対して同声明を撤回しなければ、同国に出荷予定の50万回分のコロナワクチンを差し止めると脅したことを明かした。
ウクライナは同声明の2日後の24日、声明の撤回を余儀なくされた。
ウクライナは、中国製薬大手シノバック・バイオテック(科興控股生物技術)製のワクチンを190万回分購入することに合意している。5月初旬までに、すでに120万回分のワクチンを受け取った。
中国はこれまでにも、国連などで中国が発表する声明への支持と、中国を批判する声明への不支持を他国に強要してきたという。
中国は今回、人々の健康や生命を危険にさらす可能性のある手段をもって、ウクライナに圧力をかけた。
ある西側の外交官はこれを「中国共産党のなりふり構わぬ外交スタイルの象徴だ」と呼んだ。
このカナダ主導の声明は、新疆における拷問や強制不妊手術、性的暴行、子供を親から引き離すなどについても言及した。
声明はまた、「バチェレ国連人権高等弁務官など独立した監視団が即時に、有意義かつ自由に新疆へ入るのを許可するよう」中国に求めた。
(翻訳編集・李凌)
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