【医学古今】

血小板減少症と脾気虚

血小板減少症の治療のため、24歳の女性が鍼灸院に来られました。患者さんは3カ月前に風邪を引き、その後、皮下出血点や月経出血量の増加などの症状が現れ、病院で検査を受けると血小板が4万あまりしかありませんでした(通常は血液中に10万~40万個/立方ミリ)。特発性血小板減少性紫斑病と診断され、経過観察することになりました。

 鍼灸院に初めて来られた時、血小板は6万ぐらいで、この数値は2カ月間続いていたそうです。血小板の減少以外にも頭痛、めまい、倦怠感、慢性下痢や腹痛、冷え症、頻尿などの症状もありました。更に花粉症、アレルギー性鼻炎、アトピー性皮膚炎などの病歴もあり、季節の変わり目に症状が現れます。顔色は黄色っぽくて艶が無く、舌質は淡暗、舌苔は薄白、皮膚も乾燥していて艶がありません。手足は冷たく、脈は細緩弱です。患者さんは長年、冬でも冷たい飲み物を飲むほど、冷たいものの飲食を好んでいました。

 血小板という言葉は漢方医学の概念の中には存在せず、もちろん血小板減少症という病名もありません。現れた様々な症状は、「脾気(ひき)不足、中焦寒滞(ちゅうしょうかんたい)」である「証」だと考えられます。そう考えると、すべての症状を理解、解釈できます。

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