(OmarA./Creative Commons)
≪医山夜話≫(63-2)

東洋と西洋漢方医療の違い(2)

10数年前、私がアメリカの漢方医学院で漢方の修士課程を習得した時、クラスの生徒30人余りの中で、中国人は2、3人しかいませんでした。卒業した後、免許を取るための試験の時でさえ、中国人はきわめて少数派でした。中国人の漢方医もいますが、実際、電話帳を見てみると、多くの漢方医の名前はやはり西洋人が多いのです。

 海外では漢方医学院の数が増え、漢方医博士の学位まで取得できます。西洋人が漢方医になって、西洋の考え方に漢方医学の伝統理論を加え、彼らの角度から理解した臨床治療を用いる、これは「西洋の漢方医」といえるでしょう。面白いのは、海外では至る所で「Made in China」の商品が見られますが、海外にいる漢方医のほとんどが「Made in USA」なのです。

 私が住んでいる町の道路の両側にも、数軒の漢方医診療所の看板が見えます。私が勤める中規模の医療センターにも5人の漢方医がいて、中国人は私だけなのです。

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