中国海康威視数字技術(ハイクビジョン)の監視カメラ(John Moore/Getty Images)

中国人気火鍋店のカナダ支店に監視カメラ 映像を中国に転送=インドメディア

カナダにある中国人気火鍋チェーン店「海底撈火鍋(カイテイロウ ヒナベ)」は、店舗内に60台以上の監視カメラを設置し、その映像を中国に転送していることがわかった。中国の「社会信用(監視)システム」ともつながっているという。

印メディア「Sunday Guardian」は17日、「中国共産党の社会信用システムが密かにカナダに潜入している」という見出しで報じた。

バンクーバーにある「海底撈」のライアン・パン(Ryan Pan)マネージャーは、中国本社の要請に応じて60台以上の監視カメラ、つまり各テーブルに2台ずつ設置したことを明かした。

設置理由は「会社の規定に従わない従業員を罰し、追跡するために取り付けた」と従業員のモラルの監視のためだと主張するが、中国に転送される映像の用途については「機密」に該当するため、漏らすことはできないと述べた。

監視カメラは、新疆ウイグル人を迫害する強制収容所に、顔認証などの監視システムを提供しているハイクビジョン社の製品だ。

バンクーバー店は中国領事館の近くにあり、中国通信機器大手の華為技術(ファーウェイ)カナダ支社から徒歩10分の場所に立地している。

中国共産党政権が国民を監視するために近年、「社会信用システム」を導入している。市民の身分情報だけではなく、税金の納付状況やクレジットカードの利用状況、SNSの履歴、通信履歴などが紐づけられる。監視対象にランク付けし、スコアが高い者に恩恵を、低い者に罰を与える。

米国の中国問題専門家ゴードン・チャン氏は同報道をリツイートし、「中国共産党が社会と政治をコントロールする機器を世界に広めている」と投稿した。

台湾・時代力量(党)の邱顯智議員も報道を受け、「台湾の自由と民主主義を保障するために、中国資本または中国資本とつながりのある企業に対して厳密に審査する必要がある」と述べた。

米対外政策評議会(AFPC)のインド太平洋問題専門家マイケル・ソボリック(Michael Sobolik)氏は、同報道は「必読だ」とツイートし、「このような中国企業が米国で事業展開するのは合法か?」と疑問を投げかけた。

中国の四川省で誕生した火鍋ブランドの「海底撈火鍋」は世界中に935以上の店舗を展開し、3600万人以上のVIP会員と6万人以上の従業員を持つとされる。

日本では、東京、千葉、大阪、兵庫に計6店舗を展開している。ほかには台湾に14店舗、米国に5店舗、カナダに2店舗展開している。

(大紀元日本ウェブ編集部)

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