戦狼外交への反撃?トルコのアンカラ市政府、中国大使館前に大きな穴を掘る
トルコの首都アンカラ市政府の職員は7日、同市当局が中国大使館の外に大きな穴を掘ったことを示す写真を公開した。トルコでは最近、新疆問題をめぐる中国大使館の発言が現地住民の反感を買い、同国外務省が6日、中国大使を呼び出して抗議する事態となった。
トルコのネットユーザーは、中国大使館の外にできた穴が政府による反撃だとみている。
アンカラの政府管理職員Cuneyt Ozturk氏の投稿によると、同市は7日、「同地域の住民が水道水を盗んでいないか確認するため」に中国大使館前に大きな穴を掘ったという。
同氏は別のツイートでまた、「中国大使館は今月、水道料金を支払う必要がないかもしれない」と書き込んだ。
トルコ市民は、これを中国大使の言動に対する地元政府の「反撃」とみている。
同国の有力政治家2人は先日、ツイッターに1990年に起きた中国当局による新疆ウイグル人への大虐殺を追悼する文章を投稿した。
これに対して、トルコの中国大使館は6日午後、「いかなる挑戦にも断固として対抗する」と反発し、トルコ市民の間で不満の声が起きた。
ウイグル族の市民は米メディア、ラジオ・フリー・アジア(RFA)に対し、「ここでの工事は政府が担当した」と述べ、「今回突然、中国大使館前で工事することになったのは、最近の外交事件への対応だ」とした。
同氏はまた、「市政府は『水の盗難調査』などと言っているが、あの場所で穴を掘ることによって、中国大使館にダメージを与えているのだ」とし、「トルコ人はこのやり方をとても支持している」と述べた。
さらに「中国外務省は『中国人はその手は食わない』と言うが、我々トルコ人も『あなたのそんな手は食わない』のだ。言葉で非難する以外にも、多くの反撃手段を持っている」と語った。
先月、アラスカで行われた米中外交トップ会談で、中国外交トップの楊潔篪氏と王毅外相は会議冒頭から、「中国人はその手は食わない」などと発言し、16分間米国を攻撃し続けた。
最近、中国外交官の過激な発言が海外でひんしゅくを買っている。
駐ブラジル中国大使の李楊氏はツイートで、カナダのトルドー首相を「アメリカを追いかける犬」と侮辱し、さらには日本の菅首相に対しても「日本を米国の属国にした。世界から軽蔑されている」などと貶しめた。
また、駐フランス中国大使館の公式ツイッターアカウントも、フランス戦略研究財団の研究員を「ごろつき」などと呼び、外交上で大問題となった。
米メディア、ボイス・オブ・アメリカ(VOA)は4月の放送で、「『現代の義和団』と形容される中国外交官によるあちこちでの攻撃は、北京の国際社会での孤立をさらに深め、より多くの危機をもたらすかもしれない」と指摘した。
ポンペオ前国務長官の対中政策ブレーンを務めた余茂春(マイルズ・ユー)氏は、VOAに対して「これまでの中国のならず者外交は、外務省の報道官など比較的ポストの低い役人がやってきた」
「米中会談での過激な発言は、中国を国際舞台でさらに孤立させる以外、何の役にも立たない」
「中国の外交手段が硬直していることを示している」と指摘した。
(大紀元日本ウェブ編集部)