中国不動産開発大手、SOHO中国の潘石屹会長(余鋼/大紀元)

中国当局、不動産富豪の息子を指名手配か 中印衝突死亡者巡り

中国北京市海淀区警察は15日、中国版ツイッター、微博(ウェイボー)の男性ユーザーが昨年の中印国境衝突について中国軍を批判する投稿を行い中傷したとして、指名手配すると発表した。中国インターネット上では、同ユーザーは中国の不動産王、潘石屹氏の息子であるとの情報が流れた。

海淀区警察は微博上で声明を公表し、潘という名字のユーザーが昨年6月23日、他のユーザーの投稿へのコメントで、軍の「英雄烈士」を中傷し、社会的な悪影響をもたらしたと批判した。警察は、捜査の結果、この30歳のユーザーは昨年2月2日に出国し、海外に滞在中だと示した。警察当局は同ユーザーに対して、早期帰国して聴取を受けるよう呼びかけた。

この声明を受けて、遼寧省共産主義青年団の公式微博アカウントは、このユーザーについて「不動産王である潘石屹氏の息子、潘瑞氏である可能性が高い」と投稿した。

潘石屹氏は、中国の不動産開発大手、SOHO中国の会長である。

また、他のネットユーザーは、昨年6月23日の潘瑞氏の微博への投稿をスクリーンショットして掲載した。この投稿の中で、潘氏は、中印両軍の衝突で「わが軍は少なくとも1つの営(の兵士)が生き埋めにされた」との見方を示した。

中国軍陸軍において、1つの営(大隊に相当)の兵士の数は500人くらいだ。

中国当局は2月半ば、昨年6月に起きた中印国境衝突において、中国軍側に5人の死傷者が出たと発表した。当局の公表に対して、一部のネットユーザーが疑問を呈した。当局は発表の4日後、軍兵士を中傷したとして7人のネットユーザーを拘束した。うち1人は欧州に滞在しているため、当局は指名手配した。

潘瑞氏の微博アカウントは現在、凍結された状態となっている。

大紀元コメンテーター、秦鵬氏は時事番組「秦鵬直播」で、潘石屹氏は習近平国家主席を痛烈に批判していた著名な企業家である任志強氏の親友であることに言及した。習近平当局は昨年9月、任志強氏に対して収賄罪などの罪で懲役18年を言い渡した。

昨年4月1日、潘瑞氏は微博に複数回投稿し共産党政権を批判した。そのうち1件の投稿は、武漢市の中共ウイルス(新型コロナウイルス)の深刻な感染拡大を報道した後、当局に逮捕されて行方不明になった市民ジャーナリストの陳秋実氏に関する内容だった。潘氏は投稿の中で、陳氏の消息を公開するよう当局に求めた。また、別の投稿の中で潘氏は、当局が1989年に学生らの民主化運動を武力鎮圧した「天安門事件」を暗に非難した。

潘氏は「安定は、嘘の上に成り立つものではない。もし、嘘偽りの上で作られた万丈の高楼ならば崩壊するしかないのだ」と書き込んだ。

潘氏のこれらの投稿は、その1カ月前、習近平氏を「裸の王様」と揶揄した任志強氏が連行されたことと関連するとみられる。当時、任氏が拘束された後、潘石屹氏やアリババ集団創業者の馬雲氏らは習近平氏宛に共同署名書簡を送り、任氏の解放を求めた。

秦鵬氏は「潘瑞氏は13歳の時、英国へ留学に行った。欧米の自由社会で長く過ごしているため、中国現体制に関しては父親と比べ、より一層批判的である」との見解を示した。

(翻訳編集・張哲)

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