カナダ前中国大使、中国企業での勤務認める 孟晩舟氏擁護で解任
カナダのジョン・マッカラム(John McCallum)前駐中国大使は11月23日、議会の公聴会で、「中国政府から金銭を受け取ったことはない。コンサルタントとして中国企業から給料をもらった」と証言した。
カナダ紙トロント・サン(Toronto Sun)25日付によると、マッカラム氏は23日、下院のカナダと中国の関係に関する特別委員会(Special Committee on Canada-China Relations、CACN)の公聴会で証言した。同氏は、これらの中国企業の具体的な名前を提供しなかった。
マッカラム氏は2017年にカナダの駐中国大使に就任したが、2019年初めに解任された。同氏は、同国の移民・難民・市民権相や国防相などを歴任した。
CACNは、これまでマッカラム氏に対して議会での証言を要請したが、拒否された。その後、同委員会は、同氏に公聴会への出席を命じる動議を可決した。
2018年12月、カナダ政府は、「カナダと米国の犯罪人引渡し条約」に基づき、中国通信機器大手、華為技術(ファーウェイ)の孟晩舟・副会長兼最高財務責任者(CFO)を逮捕した。数日後、中国当局は、国家安全保障に危害を及ぼす活動に従事したとして、カナダ人の元外交官マイケル・コブリグ(Michael Kovrig)氏と実業家マイケル・スペーバー(Michael Spavor)氏を拘束した。これは、カナダに対する中国共産党政権の「人質外交」であると見なされている。
2019年1月、マッカラム氏はトロントで開催された記者会見で、「孟晩舟氏の身柄引き渡し事件で勝利する可能性が高い」とし、孟氏の弁護士がどのように彼女を弁護すれば良いかなど、具体的な方法を提案した。同会見には、一部の中国語メディアの記者しか出席しなかった。
また、その数日後、マッカラム氏はバンクーバーの中華レストランで開催されたイベントで、「米国が孟氏に対する身柄引き渡し要求を取り下げた場合、これはカナダにとって非常に良いことだ」と述べた。
カナダ国内で、同氏の中国当局への擁護姿勢に関して波紋が広がった。同国のトルドー首相は19年1月26日、同氏の駐中国大使の職を解いた。
カナダ紙グローブ・アンド・メール(The Globe and Mail)は過去、マッカラム氏は中国上海に拠点を置く移民コンサルティング会社、外聯集團(Wailian Group)に勤めていたと報道したことがある。
CACNの公聴会で、保守党所属のマイケル・バレット(Michael Barrett)下院議員の質問に対して、マッカラム氏はグローブ・アンド・メール紙の報道が事実であると認めた。
トロント・サン紙は、同国の「利益相反法」では、元移民大臣であるマッカラム氏が、民間企業の顧客との取引において「その立場で得た情報を使用する」ことを禁じられていると指摘した。
(大紀元日本ウェブ編集部)