チェコ・プラハ市長がカナダに提言、威圧的な中国当局に「屈するな」=加メディア
カナダ政府は、2018年12月に中国通信機器大手・華為技術(ファーウェイ)の孟晩舟副会長を逮捕してから、中国当局の報復と脅迫を受けてきた。チェコの首都であるプラハのズデニェク・フジブ(Zdeněk Hřib)市長は、中国当局の力は「過大評価されている」とし、カナダ政府はより強い姿勢で中国当局に対抗すべきとの見解を示した。カナダ紙、トロント・スターが10月24日、伝えた。
駐カナダ叢培武中国大使は10月15日に開いた記者会見で、カナダ政府が香港にいる30万人のカナダ人の「健康と安全」に関心を持っているならば、香港のデモ参加者らを難民として受け入れるべきではないと警告した。カナダ国内で、この発言は中国当局のカナダ政府への直接的な恫喝とみなし、波紋が広がっている。
フジブ氏はトロント・スター紙の取材に対して、「(カナダ市民は)中国当局が信頼できる協力パートナーではないという事実を認識すべきだ。中国側に従順になって、中国当局が一方的にルールを決めるのを許す理由はどこにもない」と語った。
フジブ氏は2018年、プラハ市長に就任してから、プラハ市と中国北京市の姉妹都市協定をめぐり、同協定に記載されている台湾を中国の領土の一部とする「一つの中国」原則の内容を削除するよう求めていた。中国側に拒否されたため、プラハ市は19年、北京市と「姉妹都市」関係を解消した。
これを受けて、中国側はプラハ市に対する報復を示唆した。フジブ氏が所属する野党海賊党は、フェイスブックに非難声明を掲載し、「この独裁政権(中国当局)に屈することを拒否する」と反発した。声明には、中国の習近平国家主席の写真と、習氏の容姿が似ているとして揶揄されるディズニーキャラクターの「くまのプーさん」の写真が並べられた。
今年1月、プラハ市と台北市は、姉妹都市協定を締結した。
フジブ市長は、姉妹都市は「互いに敬意を持って接するべきだ」「北京との関係では、その敬意が見当たらなかった。しかし、台北市とのパートナーシップからは、敬意を絶対に得られるだろう」と語った。
チェコ政治ナンバー2の地位にあるビストルチル上院議長は8月末、89人の代表団を率いて台湾を訪問した。フジブ市長も訪台団に加わった。チェコ側の訪台に対して、中国の王毅外相は「高い代償を払う」ことになると恫喝した。
中国側が警告した報復措置について、フジブ氏は「中国企業が、チェコのピアノメーカーに出した11台のピアノの注文を取り消しただけだった」と述べた。
市長は「中国側がチェコに与えた損失は、この程度であり、笑えるほどだ。彼らの力は過大評価されている」と指摘した。
(大紀元日本ウェブ編集部)