東アフリカ・ブルンジ大統領の死因巡り憶測 妻がウイルス感染

アフリカで中共ウイルス(武漢肺炎)の流行が猛威を振るうなか、ブルンジのヌクルンジザ大統領が急死した。55歳だった。大統領の妻は中共ウイルスに感染したと診断されていたため、大統領の死因をめぐって憶測が流れている。

ブルンジ政府は9日の声明で、ピエール・ヌクルンジザ大統領が6月8日、心臓発作のため同国中央東部のカルジの病院で死去したと発表した。

声明によると、ヌクルンジザ大統領は6日にバレーボールの試合を観戦した後、夕方に体調不良を感じ、病院に運ばれて治療を受けていたという。8日の朝、容態が急変し、その後亡くなった。

同声明はまた、ヌクルンジザ氏の死は「予期せぬものだった」とし、国民に冷静に対処するよう呼びかけた。

中国メディア・界面新聞は10日、ケニアのメディア「デイリー・ネーション」などの報道を引用し、ヌクルンジザ氏の妻・デニース氏が先月末、中共ウイルスに感染したと診断され、治療のためにケニアの首都の病院に搬送されたと伝えた。このニュースを受けて、ヌクルンジザ氏が中共ウイルスで死亡したのではないかという憶測が飛び交っている。

ヌクルンジザ大統領は2005年に就任し、その後2度の再選を経て15年間、国を統治してきた。今年5月に政界引退を表明していた。この15年の間、同国の30万人もの人が暴政で死亡した。

2015年にヌクルンジザ氏が再選した際、ブルンジでは反対派が台頭し、5月の軍事クーデター未遂事件で、数十人が死亡、17万人が故郷から離れ、不安定な生活を強いられた。

国連は2019年に、ブルンジ人が強権政治の統治下で生活していると警告した。多くの人権団体が、同国政府による誘拐、拷問、殺害、嫌がらせなどの人権侵害を批判した。

アフリカ疾病予防管理センター(Africa CDC)の最新データによると、アフリカではこれまで197,313人の感染と5,357件の死亡が確認された。このうち83人がブルンジ人で、1人が死亡した。しかし、アフリカのほとんどの国では、検査能力不足のため、確定症例数が疑問視されている。

ブルンジは赤道の南、東アフリカに位置し、世界で最も貧しい国の一つである。世界銀行の推計では、ブルンジ人の10人に7人が貧困ラインを下回る生活をしている。

今年1月11日、ブルンジのブトレ副大統領はブジュンブラで中国の王毅外相と会談した。ブトレ氏は、ブルンジと中国の関係を高く評価し、両国の友情は兄弟のようだと述べた。また王毅氏は、ブルンジは中国にとって信頼できる誠実な友人であると述べた。

中国メディアによると、両国は緊密な高官レベルの交流を続けているという。中国はブルンジで水力発電、農業、教育、保健の分野で多くの援助プロジェクトを実施している。今後はブルンジへの支援を増やしていくという。

2012年にはブルンジ大学が孔子学院を開校し、ブルンジでの中国語の学習ブームを巻き起こした。

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