中国伝統美徳物語(孝行編)その八「郭巨は母に孝行をする」

漢の時代、郭巨(かくきょ)という人がおり、家は貧乏で、兄弟が3人いました。郭巨は父親が亡くなった後に残った家財を兄弟に分け与え、母親を連れて自分の家で孝養(親をやしない孝行をすること)し、よく働き常に倹約して暮らしていました。

その後、息子が生まれ、生活が更に苦しくなりました。郭巨の母親はいつも美味しい食べ物は孫に譲り与えました。これを見た郭巨は心を痛め、食事をするときには子供を外で遊ばせました。ある日、子供が外で遊んでいるとき、誤って水に溺れて死にました。母親に悲しみを味あわせたくないと、郭巨は孫が溺れ死んだことを母親にわからないようにしてほしいと妻にお願いしました。

そして妻に「子どもは再び作れるものですが、母親は二度と得られないものです」と言いました。妻は郭巨の願いに敢えて違背(いはい・命令などにそむく)せず、急いで子供を埋葬する穴を掘りました。穴を約1メートルまで掘ったところで、突然大きな雷が鳴り、雷の震動で死んでいた子供が目を醒ましました。このとき、穴の中から黄金が入ったつぼが現れ、つぼの上には「天が黄金を賜る、郭巨は孝行な人で、役人はこの黄金を奪ってはならない、民も取ってはならない」という文字が書かれていました。郭巨夫妻は黄金を賜った後、家に持ち帰って母親を孝養し、子供を養いました。

(明慧ネットより転載)