老人ホームで目や身体のアザ、唇が裂けるほどの暴行を受けている利用者がいるという実態が明らかになりました。
2013年にはアメリカのある施設では利用者に対する虐待で通報されました。97歳のミニー・グラハムさんはその被害者のうちの一人です。グラハムさんは痴呆症を患っており、ガーランドにある施設で約1年生活をしていたのですが、グラハムさんの家族は、グラハムさんの目にできた2つ黒いアザを見て、施設に対して少し疑念を抱くようになりました。
「スタッフには、本人が車椅子から落ちたと説明されました」とグラハムさんのお孫さんが話してくれました。
グラハムさんの家族は、施設のスタッフへの疑いを明らかにするために、グラハムさんの寝室に隠しカメラを取り付け録画することにしました。
そこに映っていたのは、いつも優しく着替えの補助をしてくれるスタッフの恐ろしい姿でした。なんといつも優しいそのスタッフはグラハムさんをバカにしたように笑い、髪や腕を強くひっぱり、顔を平手打ちしていたのです。
「こんなひどいことがよくできるもんだと思いました。髪や腕をあんなに強くひっぱったら、すごく痛いに違いありません」とグラハムさんの家族は話してくれました。
グラハムさんはそれから1週間後に亡くなりました。「おばあちゃんは、もうこれ以上生きたいと思わなかったんだと思います」家族はこの出来事をもっと早く気づけなかったことにとても後悔しています。
グラハムさんの家族は老人ホームでの利用者がよりよいケア受けらるように呼び掛ける活動をするようになりました。そしてこのショッキングな映像を同じような活動をしている非営利団体の所長ブライアンに見てもらいました。
「こんなことはあってはならないことです。スタッフが利用者に対して尊厳を持って世話ができているかどうかを審査する必要があります。そういう世話ができる適切な人物を採用しなければいけませんし、もっとよりよいケアを提供すべきです」とブライアンは話してくれました。
こういった老人ホームでの虐待というのは今までにはなかった現象です。2012年にも同じような虐待が起こりました。利用者の口にゴム手袋を押し込んで胸部を強く押し、それが原因ですぐにその利用者は亡くなりました。その事件を起こしたスタッフはすぐに刑務所に送られました。
ブライアンは施設のサービスをA~Fでランク付けするという取り組みを始めました。スタッフの対応や利用者からの苦情などを基本的な情報としてランク付けを行います。テキサスやオクラホマ、ニューヨークなどでは、残念なことにFランクの施設が多数ありました。一方アラスカ、ハワイ、オレゴンなどの施設はAランクでした。毎日一時間以上の専門的なケアが利用者に提供できているとのことです。
グラハムさんへ暴行を加えた犯人は逮捕されたそうです。しかし、資格が取り消されていないため犯人はまだ介護業界で仕事をしているとのことです。
(大紀元日本ウェブ編集部)
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