中国で台湾人経済アナリスト12人が拘束 外国人の逮捕相次ぐ
台湾の対中政策を担当する行政院大陸委員会は13日、中国上海市警察当局が9日、台湾人の証券アナリスト12人を詐欺の容疑で拘束したことを発表した。中国当局は先日、英国民4人とカナダ国民1人を拘束したばかり。当局は「人質外交」を通して、各関係国に圧力を強めているとみられる。
逮捕された12人は上海市にある証券取引のノウハウや講座を提供する会社、上海仟和億教育培訓有限公司に勤務しているが、中国本土の証券外務員の資格を持っていない。違法な証券取引の勧誘やインサイダー取引に関与したとされている。
大陸委員会の邱垂正報道官によると、現在9人は保釈され、3人が拘留されている。
逮捕のタイミングが注目されている。今月8日、米国務省は総額2億ドルの台湾への武器売却を承認した。中にはM1A2エイブラムス戦車、携帯式スティンガーミサイルなどのハイテク兵器が含まれている。
また、蔡英文総統は12日、カリブ海諸国を訪問するため、米国に立ち寄り、コロンビア大学で台湾の民主化について講演した。総統は、中国当局が掲げる「1国2制度」を批判し、「台湾は絶対に受け入れられない」と述べた。
今回の12人の逮捕は、この一連の動きをめぐって、中国当局による台湾への報復措置だとみられる。
当局は最近、対立が激化する関係国の国民を相次いで拘束している。
中国江蘇省徐州市警察当局は9日、麻薬使用の容疑で、外国人16人と中国人3人の身柄拘束を発表。駐中国の英国大使館12日の発表によると、そのうちの4人が英国人だとみられる。
カナダ外務省は13日、カナダ人1人が山東省煙台市で逮捕されたと発表した。
一方、逮捕された英国人とカナダ人は、同件に関係しているのかは不明だ。
カナダ政府は昨年12月、米政府の要請で、中国通信機器大手の華為技術(ファーウェイ)の孟晩舟・最高財務責任者(CFO)を逮捕した。
この直後、中国当局は中国国内に滞在していたカナダ人元外交官2人をスパイ容疑で拘束した。
英政府は、6月末以降に香港で起きた抗議デモをめぐって、中国当局への批判を強め、英中関係の緊張が高まった。
中国と東アジアの政治経済を研究する学者、ピーター・チャン(Peter Zhang)氏はこのほど、大紀元時報英語版に寄稿し、中国当局は現在、「人質外交」を強化していると警告した。同氏は、中国当局は過去数十年、この「国家テロリズム」の手法を切り札に、西側諸国から政治的かつ経済的な利益を取得してきたと指摘した。
(翻訳編集・張哲)