障害を持つ子供の親にとって、子供を遊びの輪に参加させるのは簡単な事ではありません。
トリシア・ライノルドさんにはそれがよくわかっていました。
彼女の7歳の息子ティモシー君は、重度の自閉症スペクトラム障害のため、誕生日会等の集まりに参加するのがとても難しいからです。
「ティモシーは今まで1度も誕生日会に参加した事がないの。
数え切れないほど招待されたし、声を掛けてくれる事にはとても感謝しているわ。
でも息子が参加するとどうなるか、みんな本当にわかっているかしら。
予期せぬパニックに感情の爆発。
主役は誕生日のお子さんなのに息子がその邪魔をするなんて耐えられないの。
障害を持つ子供の親は、仲間に入れない時の子供の悲しみを嫌という程知っているのよ」とトリシアさんは胸の内を語ります。
しかしある日、思いもよらぬ招待状が届きました。
ティモシー君の同級生・カーター君からの誕生日会の招待状です。
その裏にはこんな手紙が書いてありました。
「カーターはティモシー君と席が隣で、いつも彼の話をしてくれるの。
だから是非、誕生日会に来て欲しいわ。
小さな滑り台を取り付けられる空気圧トランポリンを用意しているの。
大勢の子どもといるのが大変だったら、皆が来る前に早く来ていいのよ。
どうしたら上手く行くか、是非教えてね」
ティモシー君の状態を理解しどうしたら参加出来るか考えてくれたこの手紙に、トリシアさんは泣き崩れてしまいました。
滑り台を付けてくれたり、準備で忙しいだろうに早く来ていいいと言ってくれる。
この様な配慮と気遣いに満ちた招待状は、これが初めてだったのです。
感激したトリシアさんは、まだ会った事もないカーター君の母親に返事を書きました。
「あなたは気付いてないかもしれないけど、この手紙は私が求めていた言葉そのものだったの。
それにカーター君のお陰で、ティモシーは友達の輪の中にいる事が出来るのよ」
そして招待への答えは勿論、初めての「イエス」でした。
「時として人は自分で手一杯になるけど、この手紙は他人を思いやる大切さを再認識させてくれたわ。
この手紙のお陰で困難を乗り越えられるし、ティモシーの未来に希望が持てるようになったのよ」とトリシアさんは感謝を忘れません。
あなたの行動が誰かに希望を与えるかもしれません。
ちょっとした思いやりを行動に移す、そんな優しさを広げていきませんか?
(大紀元日本ウェブ編集部)
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