台湾・歴史文化にふれる旅@茶藝編

旅先でショッピングして歩き疲れた時、おいしい料理を前にしてつい我慢できずに食べ過ぎた時、お茶を味わう場所「茶藝館」で大人のティータイムをもつのはいかがでしょうか。その際に、知っておくと役に立つ知識を紹介したいと思います。

 

台中・無為草堂
画像提供:台湾観光局

 

淹れ方(3人~5人分)

家にある日本茶用の急須でも代用できますが、サイズが大きいとお湯が冷めてしまい、茶葉の味が抽出されません。烏龍(ウーロン)茶は熱湯でじっくりと茶葉を開かせるのが基本。烏龍茶専用の急須はこぶし大の大きさで、熱を逃がさず、茶葉の味をちょうど良く引き出してくれます。

  1. 烏龍茶用の急須に茶葉(丸い粒を5、6粒くらい)を入れ、熱湯を注ぎます。この時、高い位置から注ぐと、湯の中で茶葉が踊り、お茶がよりおいしくなるといわれています。
     
  2. 湯を急須いっぱい注いだら、ふたをして1分20秒くらい待ちます。その時、急須の温度が冷めないように、急須の上からお湯をかけると茶葉の味が引き立ちます。濃い味にしたいときは上から熱湯を多めにかけると良いです。開いた茶葉が急須の底の三分の一を占めたら、適量です。
     
  3. お茶の濃さを均一にするために、いったん別の容器(茶海と呼ばれる)に注ぎます。
     
  4. 茶海のお茶を、それぞれの湯飲みに注ぐ。急須に残った茶葉は、4~5回は飲めるので、熱気を逃がすために必ずふたは開けておくこと良いです。
     
  5. 2回目のお茶を淹れる時は(2回目が一番おいしいです。)、茶葉が完全にひらいた状態なので、味が少し濃くなります。2回目も、熱湯を茶葉に浸して1分30秒くらい待ちます。

 

〈こぼれ話〉お茶を注いでもらった時のしぐさ

お茶を注いでもらった人が中指と人差し指で軽くトントンとテーブルを叩(たた)くのを見たことがありませんか?これは茶礼といって、お茶を注いでくれた人への敬意と感謝を表すしぐさです。

由来は、清の時代にさかのぼります。乾隆帝が庶民の暮らしぶりを視察するために、庶民の格好をしてある村にやってきました。突然の雨に降られ、皇帝とお供は通りに面した小さな茶店に入りました。店の者は皇帝だとは知らず、薬缶と湯のみをテーブルに乱暴に置いていきました。すると、皇帝が自ら供の者たちにお茶を注ぎ始めました。庶民に扮しているのですから、供の者たちはいつものように皇帝に跪(ひざまず)いて額(ぬか)ずくわけにはいきません。そこで、彼らは指を折り曲げてテーブルを叩き、帝に感謝の意を表したと伝えられています。