中国、拘束中の人権弁護士に異変、家族「不明薬物の投与」を主張
中国当局に拘束されている人権弁護士、江天勇氏は前月末、湖南省長沙の看守所から数百キロ離れた河南の刑務所に移送されたことがわかった。親族は江弁護士と面会した際、江氏の記憶力が著しく低下していて、「薬物を強制的に投与された可能性が高い」と語った。
江天勇弁護士は、2015年7月9日に起きた「弁護士一斉拘束事件(709事件)」に法的援助を提供していた。その後、江弁護士自身も消息不明となり、16年11月、当局に身柄を拘束されたことが分かった。17年11月、「国家政権転覆罪」で懲役2年を言い渡された。
米メディア・ラジオ・フリー・アジア(21日付)によると、江弁護士の父親と妹が18日に河南第二刑務所で、本人と面会した。
妹の江金萍氏は、「兄の記憶力の低下に驚いた」「私と一緒に暮らしたことすら覚えていない」と述べた。江弁護士に原因を尋ねようとした際、その場にいた刑務官に阻止されたという。
米国にいる江弁護士の妻、金変玲氏はこのほど大紀元の取材に、記憶力の低下に「薬物を投与された可能性がある」と語った。
金氏は、「義妹の話では、主人は家の電話番号や、『うちの子は今、何年生?』など同じ質問を繰り返したという。この前の面会でも、今までの生活について全く思い出せなかった」と述べた。
また金氏は、すでに釈放された「709事件」の弁護士に共通点があると指摘した。「本人たちもその家族も正体不明の薬物の摂取を指摘した」金氏は、夫も同様の被害を受けたのではないかと推測。
17年1月12日に釈放された「709事件」の李春富弁護士は、妻に対して、拘禁期間中に「毎日薬を飲んでいた」と話した。李弁護士は釈放後間もなく、精神に異常をきたし、「精神分裂症(統合失調症)」と診断された。
2015年7月以降、200人以上の弁護士や活動家が一斉に取り調べを受けたり、拘束されたりした。このうち20人あまりは、国家を転覆しようとした疑いなどで拘束・逮捕された。これらの弁護士は社会的弱者や法輪功学習者の代理人を積極的に引き受けていた。
(記者・駱亜・李新安/翻訳編集・張哲)