韓国の保守系団体が、北朝鮮へ向けて、金正恩政権の人権侵害や張成沢氏の残忍な死刑について伝える資料を括り付けた風船を飛ばす。2014年1月撮影(Chung Sung-Jun/Getty Images)
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北朝鮮ナンバー2の処刑、罵詈雑言の判決文「文革思わせる北は中国の反面教師」

2013年12月、失脚が報じられて4日後に処刑された北朝鮮・金正恩政権のナンバー2張成沢(チャン・テンソク)氏。金正日の妹に当たる金敬姫を妻とし、金正日の側近を務め、甥である金正恩氏の後見人的存在として党・軍・国家に影響を与える人物だったとされる。

彼のような大物に下った死刑判決文には「犬畜生にも劣る醜い人間のゴミ」「天下の万古逆賊」「反党・反国家・反人民的罪悪」といった罵詈雑言が並んだ。頭を押さえつけられた張氏が罪を認める裁判所内での映像を、朝鮮中央放送が報じた。

反人道的なこの手法には、中国の文化大革命(文革)を彷彿させるものとして、当時、中国でも話題になった。まだ中国インターネットでも実名制が導入されておらず、今日よりも比較的闊達な議論が交わされていた。

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中国当局は、金正恩政権が崩壊した場合、代わりに金正男氏を新たな指導者に擁立しようと考え、金正男氏を保護してきた。金正男氏は将来、北朝鮮の新たな政権の指導者と見なされていた。
金正男氏がマレーシアで殺害され、関連諸国は神経をとがらせている。中国は北朝鮮との石炭貿易を中止して制裁を加え、マレーシアも抗議として駐平壌大使を帰国させた。北朝鮮の人権問題だけでなく、北朝鮮をテロ支援国家として再指定する問題も国際社会の主要なテーマとして浮上する可能性もある。また、正男氏を非公式に保護してきた中国が不満を露わにするなか、中朝関係の今後の行方に注目が集まる。
冷酷さで知られる金正恩・北朝鮮労働党委員長は政敵、反逆者、気に入らない高官を続々と処刑してきた。たとえ相手が親戚であっても例外ではない。叔父の張成沢(チャン・ソンテク)や異母兄の金正男の殺害は世界中に大きな衝撃を与えた。