女性がなりやすいと言われる摂食障害。ストレスや過度なダイエットなど原因は様々ですが、一度かかると根治は難しく、うつや自殺思考など心を病んでいくケースも。バリスタの一言に救われたという拒食症の女性のお話をご紹介します。
米ニューハンプシャー州マンチェスターに住むベッカ・ジョージさん(Bekah Georgy)は、ダンスと歌が大好きな24歳。しかし、その人生の半分は拒食症と共に生きてきました。
2015年までに自殺を図ったのは5回。普通の食事では身体を維持できないため、鼻からの栄養摂取で命をつないでいました。うつに悩み不安と絶望感にさいなまれる日々。医師との面談とセラピーを終えたある日、特に気分がめいっていた時のことでした。
また自殺願望が沸き起こってきた時、ふと近くにあったスターバックスに入りました。
症状がひどい時、彼女はコーヒーを飲むぐらいしかできなかったのです。
「その日は、本当に気がめいっていました」と話すベッカさん。
沈んだ気分のまま出来上がったコーヒーを受け取ると、カップには「スマイル」の文字とニコちゃんマークが。お店のバリスタが、ベッカさんのただならぬ様子を察知して走り書きしたようでした。
通常であれば、「スマイル」なんて、どうってことないメッセージ。でも、絶望していた彼女は、その一言に救われました。
ベッカさんは米ウェブサイトThe Mightyに「バリスタへ」と題し、感謝の気持ちを綴りました。
「私のカップに書かれたほんの小さな一言が、その日の気分を、また私の一生を変えたのです」
「あなたが、いつもネガティブな事に満たされていた私の人生に、ポジティブな事を与えてくれた」
「あなたに心から感謝しています」
ニコちゃんマークを見て、思わず微笑んでしまったというベッカさん。ほんの少しの心遣いが、誰かにとっては大きな助けになることもあるのです。
残念ながら、いまだ深刻な症状と戦っているベッカさん。彼女を支援するクラウド・ファンディングが立ち上がり、引き続き治療に専念しています。
(文・郭丹丹)
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