失脚の重慶市前トップ孫政才氏、「一帯一路」資金で複数の愛人を囲っていた =香港メディア
罷免された孫政才・前重慶市党委書記に4人の愛人、3人の隠し子がいると香港メディア「香港01」は25日、情報筋の話として報じた。
それによると、4人のうち、2人は公務員で、1人が実業家、もう一人は孫氏が特別かわいがっていた女子大生だったという。
最高指導者の有力候補とされた孫氏は今年7月、重大な規律違反の疑いで取り調べを受け、失脚した。9月19日付き米華字メディア・明鏡新聞網によると、孫氏が「一帯一路」資金で愛人らに貢いだことが失脚の引き金となったと伝えた。
孫氏は習近平政権の目玉政策である「一帯一路」経済圏構想プロジェクト資金の約10億元(約170億円)を愛人が香港で設立したダミー会社に注ぎ込んだ。それに反対した元重慶市幹部が、関係者を通して腐敗取り締まりを行う党中央紀律検査委員会(中紀委)の王岐山前書記に告発した。
習近平国家主席が7月、中紀委から提出された分厚い告発資料を読んで激怒し、孫氏に対して直ちに強制措置を取るよう命じたという。
香港メディアの報道では孫氏の愛人や関連企業に関する詳しい情報は明らかにされなかった。王岐山前書記に近いメディアとされる中国の経済誌・財新が9月号の表紙に、「億賛普(イザンプ)の重慶での盛衰」と題した記事を巻頭特集として出した。
同記事は2008年に創立された「億賛普」という謎めいたIT企業に焦点を当てた。同社の女性社長・黄蘇支氏は孫氏と密接な関係を足がかりに、国有企業や「一帯一路」など政府主導のプロジェクトを相次ぎ受注し、わずか数年で無名な企業から香港株式市場で上場を果たしたスター企業に成り上がった。億賛普社の株価も7月、孫政才氏の失脚に伴い、暴落した。
財新が複数の情報源から得た情報によると、黄氏が今年4月から、当局の取り調べを受けて連行され、行方不明のままだ。黄氏が孫氏の愛人である可能性を示唆した。
中紀委は2月、重慶当局が「薄煕来・同市元党委書記の影響を排除していない」と批判した。6月、孫氏の側近だった何挺元公安局長が失脚し、孫氏の愛人や隠し子などの問題を供述したという。
(翻訳編集・王君宜)