中国で高齢者にあいつぎ実刑判決 法輪功のチラシの配布で
中国各地で最近、60代以上の高齢者が相次ぎ逮捕されて実刑判決を受けた。中国政府が弾圧している気功団体・法輪功の無実を訴えるチラシを配布した罪だという。法輪功公式ウェブサイト「明慧ネット」が3人の事例を伝えた。
天津市在住の68歳の女性は2015年10月、法輪功の無実を主張する文書を配布した理由で勾留された。本人の証言では、拘置所で虐待を受け、心臓や血圧に異常が生じたため仮釈放された。今月1日、女性には禁錮2年10カ月、罰金1万5000元(約29万円)の有罪判決を言い渡された。
吉林省長春市在住の76歳の男性は妻を亡くした独居者。今年4月27日、公安当局が男性の自宅を家宅捜査し、法輪功の書籍や、現金2000元あまり(約3.4万円)を押収した。それから男性は自宅監視下に置かれ、今月8日、懲役1年6ヵ月、罰金5千元(約8.5万円)の有罪判決を受けた。
新疆ウイグル自治区在住の元医者だった74歳の女性は今年3月、法輪功への弾圧が違法だと訴えるチラシを配ったことを理由に逮捕された。初公判が近く開かれる予定。
3人とも法輪功の愛好者だという。
法輪功は1990年代はじめから中国全土で広まった気功。1999年、当時の江沢民指導部が取り締まるまで、愛好者数が7000万人に達した。クリスチャンの高智晟氏ら人権弁護士は長年、法輪功への弾圧は重大な人権侵害だとして最高指導部に弾圧の中止を求め、弁護を引き受けるなど愛好者を支援していたが、「国家政権転覆罪」の罪であいつぎ実刑判決を受けた。
明慧ネットによると、18年間続いた迫害で、身元が判明した限りでは4154人が死亡したことが明らかになっている。
(翻訳編集・叶清)
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