中国当局、韓国映画「タクシー運転手」の議論を禁止、六四天安門事件連想で
中国当局は3日、中国国内インターネット上で今年8月2日に韓国で上映された映画『タクシー運転手』に関連する情報や評論を削除した。映画の内容が「六四天安門事件」を連想させることが原因だとみられる。中国当局は18日開催予定の党大会の前に、国内の言論統制を強めている。
『タクシー運転手』は1980年韓国光州で起きた民主化運動、いわゆる「光州事件」を題材にし、実話を基にした作品だ。韓国では8月上映以降、観客動員数はすでに1000万人を突破した。韓国映画で1000万人の大台を突破したのは同作で15作目となる。
中国国内では同映画は上映されていない。しかし中国人ネットユーザーらは「六四天安門事件」を絡めながら、熱く議論を交わされていた。
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「六四天安門事件」から28年。民主化を求める学生と一般市民に対し、中国人民解放軍を動員しての無差別発砲より徹底的な弾圧を加えたのは、当時の最高権力者、鄧小平だった。強硬な姿勢で弾圧した鄧小平の動機は、いったい何だったのだろうか。
習近平国家主席が、中国軍の改革と再編成を進めている。この再編成により、軍級部隊である「集団軍」5つが廃止されることになったが、その中には1989年の六四天安門事件で学生や市民らの大虐殺に深く関わったとされる、旧27集団軍も含まれている。
様々な数字は残酷な一面もあわせ持っている。まるで麻酔薬のように人々の感覚を麻痺させる力があるのだろう。バイオレンス映画を見続けると、血なまぐさいシーンを見ても何も感じなくなるのと同じように。そうして、見る人はその自覚もないまま、暴力という毒に侵されてゆく。