超大型ハリケーン「ハービー」と「イルマ」、経済損失は約32兆円=米気象会社
米気象情報大手のアキュウェザー(AccuWeather)は同社公式サイトで10日、8月に発生した超大型ハリケーン「ハービー」と、このほどフロリダ州に上陸した「イルマ」がもたらした経済損失が約2900億ドル(約31兆7115億円)規模だとの見方を示した。
同社創業者のジョエル・マイヤーズ氏は「ハービー」の影響で、米南部テキサス州ヒューストン地区では記録的な暴雨に見舞われ、広範囲に渡る洪水により「経済損失が1900億ドル(約20兆7765億円)と推測する。19兆ドル(約2078兆円)規模の米国内総生産(GDP)の1%に相当」と述べた。
また、マイヤーズ氏は「イルマ」による経済損失は、約1000億ドル(約10兆9350億円)規模と推計。「イルマ」は10日フロリダ州に上陸し、暴雨と強風で大規模な停電や浸水などの様々な被害をもたらした。すでに5人が死亡したと報じられた。
「2つの大型ハリケーンによる経済被害額は米GDPの1.5%に上り、8月中旬から12月末まで経済の自然成長率に当たる」とした。
同氏によると、主な経済被害は企業の操業停止、失業率の上昇、インフラ設備の損害、農業被害、家屋倒壊などの資産被害、ガソリンなどの価格高騰に集中する。
米国立ハリケーンセンター(NHC)によると、11日午前に熱帯性暴風雨になった「イルマ」は、12日午後までには、熱帯性低気圧へと勢力を弱める見通しだ。しかし、フロリダ州やジョージア州、サウスカロライナ州について、大雨と洪水に引き続き警戒するよう呼び掛けている。
いっぽう、ブルームバーグによると、米災害リスク評価会社エンキ・リサーチ(Enki Research)は、「イルマ」による経済損失は予想より下回る490億ドル(約5兆3582億円)と試算した。
(翻訳編集・張哲)