北朝鮮問題
北朝鮮ミサイル「火星12」か ICBMに向けた実験の可能性も
小野寺五典防衛相は29日午前、北朝鮮が同日6時頃に発射したミサイルは、中距離弾道ミサイル「火星12」だった可能性が高いと述べた。
ミサイルは日本上空を通過して北海道・襟裳岬東方の太平洋上に落下したのを、韓国軍が確認した。長距離弾道ミサイル(ICBM)のための実験、合同軍事演習に対する反発であるとの見方も示されている。
韓国合同参謀本部によると、ミサイルは5時57分頃、平壌市順安地域(平壌国際空港も位置する)から太平洋側に向けて発射され、日本の上空を通過して太平洋上に落下した。飛行距離は約2700キロに及び、30度から45度の角度で発射された中距離弾道ミサイル(IRBM)と推定されている。射程距離は最大5000キロ前後とされる。
関連記事
金正恩・北朝鮮労働党第一書記が、2週間ぶりに姿を見せた。同国国営報道によると、金氏は「米国を観察する」と述べたという。北朝鮮当局は今月中旬に米国グアムに日本上空を超えて4発の弾道ミサイル発射を予告しており、関係諸国に緊張が走っている。
北朝鮮の相次ぐ核・ミサイル挑発に対して、国連安全保障理事会(安保理)と米国、欧州連合(EU)などの国際社会は経済制裁を強化している。専門家たちは、北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長による軍事挑発をとめるには、中国から北朝鮮への原油輸出停止が必要だとの見方を示す。
昨年7月韓国に亡命した元北朝鮮外交官の太永浩(テ・ヨンホ)氏はこのほど、英メディアに対して、金正恩(キム・ジョンウン)・朝鮮労働党委員長は自らに対する米国などの暗殺行動を防ぐのに、すでに中国への逃亡計画を策定したと述べた。