河北省の秦皇島市にある著名な高級避暑地・北戴河(China Photos/Getty Images)

今夏の北戴河会議に長老政治が終焉か=海外メディア

今秋の中国共産党大会を前に、最高指導部の人事などを話し合う非公式会議・北戴河会議はすでに終了したもよう。この会議は通常、引退した党の長老も参加し、人事に口を挟むなど影響力を誇示する場である。しかし、この「長老の政治介入」は今年で終焉を迎えたと、仏国営ラジオRFIは21日、報じた。

8月に入ってから、公の場で姿を見せていなかった指導部メンバーの動静が最近、伝えられた。17日に習近平主席が米軍制服組のトップ・ダンフォード統合参謀本部議長と会談。18日、政治局常務委員の一人である張徳江氏は、全人代常務委員会第99回委員長会議に出席、とそれぞれ中国メディアは報じた。これらの報道は、北戴河会議の終了を意味する。

  これまで、北戴河会議の前後に、長老らの動きも報じられていたが、今年こういった報道は見られなかった。RFIは記事で、「長老らも会議に参加したかもしれないが、発言の場はなかったようだ」と述べた。

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