メルボルンのビーチで人食いダニ? 足もと血だらけに
オーストラリアの海辺で、16歳の少年が無数の小さな海洋生物に噛まれ、足首あたりが血まみれになるという珍しい事件が起きた。少年は入院して手当てを受け、9日には退院した。
現地紙「ヘラルド・サン」によると、同国の観光名所のひとつであるメルボルンのブライトンビーチで5日夕方、地元の16歳の少年が、サッカーの練習のあと、涼を取ろうとして海に30分ほどつかっていたところ、足首あたりに針にさされた跡のような無数の傷を負った。少年はすぐさま病院で手当てを受けた。
母親によると「こんな傷は医師も見たことがないと驚いていた」という。少年は海の中にいる間、チクチクと足は痛むことに気づいていたが、海の水の冷たさによるものだと思っていた。出血はなかなか止まらず、入院から3日目、ようやく完全に止血した。
病院側もケガの原因を突き止められないため、少年の父親はおとり作戦に出た。現場の海水に生の牛肉の塊をしばらく沈めたところ、数千匹ほどの体長約1センチの生物が吸い付いた。保温箱にいれて持ち帰った父親は「あの生き物は一晩中、肉を食べていた」と話した。
父親の提供したサンプルを調べた専門家チームは、犯人はフトヒゲソコエビ科に寄生するダニまたは甲殻類生物である可能性が高いと判断。普段は腐敗しかけた魚などの肉を好んで寄生するという。止血しにくい理由は「数百数千匹に長時間に集中的に噛みつかれたことにより、肉組織がダメージを受けた」とみている。
なぜ噛まれた間に痛みをほとんど感じなかったのか。専門家は、冬季で温度の低い海水に長時間つかっていたため、少年の足の感覚は鈍ったためだと推測する。
同国ビクトリア博物館のジェネフォー・ウォーカー・スミス博士は、これらの生物は海洋環境にとって非常に重要で、もし海に彼らがいなければ「海は死んだ魚などの死骸でいっぱいになっている」と同紙に述べた。専門家たちは、今回のような事例はとても珍しく、過度な心配は無用だとしている。
(翻訳編集・叶清)