国連本部で安全保障理事会の対北朝鮮制裁決議案第2371号の票決の前、米国のニッキー・ヘイリー国連大使と中国の劉結一大使が会話(EDUARDO MUNOZ ALVAREZ/AFP/Getty Images)
北朝鮮問題

北朝鮮への国連制裁決議「あまり大きな影響ない」=専門家

国連安全保障理事会は5日、北朝鮮に対する追加制裁決議案を全会一致で可決した。しかし、専門家は、北朝鮮にとっては最大の防衛策であるミサイル・核開発計画を緩めることはなく、大きな影響をもたらさないと分析する。

今回の制裁決議では、北朝鮮の主要な貿易相手国であり唯一の同盟国である中国の役割が、制裁決議に賛成に回った意味は大きい。しかし、米国拠点の組織「韓国社会協会」トーマス・バーン(Thomas Byrne)会長は、ブルームバーグの電話インタビューで、制裁は経済的な影響を与えることができるが、金正恩政権の戦略である核ミサイル開発には「あまり影響を与えない」と分析した。

北朝鮮は中国にとって、対米防衛において重要な「緩衝国」となる。北朝鮮の核ミサイル開発がすすむ背景には、中国支援があると考えられている。

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