「5日間、一睡も許されず」 女性弁護士が獄中の虐待を暴露
中国で起きた人権派弁護士一斉弾圧事件から2年経った。昨年8月に保釈された女性の人権派弁護士、王宇氏(46)は10日、声明文を発表し、監禁中に受けた拷問や脅迫で、不本意にも国営テレビの「懺悔」映像の撮影に応じたと告発した。
王氏は声明文のなかで、「5日間連続して一睡も許されず聴取を受けた。手枷、足枷をはめられたり、一カ月間狭い独房に入れられたりもした。無理な姿勢を強いられたこともある。牢獄では、数々の残虐な迫害を受けた。最後は、当局に夫と息子の安全と将来について脅迫され、やむを得ず屈服した」と明かした。
中国当局は2015年7月9日から、社会的弱者層の弁護を引き受ける人権派弁護士や活動家ら300人を全国各地で一斉に連行した。そのため、同事件は「709事件」とも呼ばれる。その後、当局が親族や弁護士の面会を許可していないため、一部の拘束された者は今も行方不明のままだ。拘束中、拷問や虐待を受けていたとの証言も相次いでいるため、国内外から厳しく批判されている。
事件から2年経過した現在でも、いまだに数人は拘束されたり有罪判決を受けたりしている。うち、王全璋弁護士は連行され、行方不明になってから、すでに700日間を超えた。妻の李文足さんは強い信念を持つ夫が屈しないためだとみている。130人の弁護士からなる「中国人権弁護士団」や台湾の「台北弁護士会」などは9日、中国当局に拘束中の弁護士を一刻も早く解放するよう要求した。
王宇氏は声明文とともに、拘束されている王全璋弁護士を応援する文章を掲載した。そのなかで、王氏は「本気にならないように。本気になるとあなたが損するだけ。でも永遠に本気でいるなら、勝つのはあなたです」「今度も無事に戻ってきて、私たちの前に姿を現すように、心から祈っています」と綴った。
(翻訳編集・王君宜)