2年前に拘束され、昨年釈放された人権弁護士・王宇氏は最近、声明文を発表し、監禁中に受けた拷問や脅迫で、不本意にも国営テレビの「懺悔」映像の撮影に応じたと告発した。写真は2014年3月、香港で撮影(PHILIPPE LOPEZ/AFP/Getty Images)
中国の人権派弁護士一斉弾圧から2年

「5日間、一睡も許されず」 女性弁護士が獄中の虐待を暴露

中国で起きた人権派弁護士一斉弾圧事件から2年経った。昨年8月に保釈された女性の人権派弁護士、王宇氏(46)は10日、声明文を発表し、監禁中に受けた拷問や脅迫で、不本意にも国営テレビの「懺悔」映像の撮影に応じたと告発した。

大紀元特集・709人権弁護士一斉弾圧

王氏は声明文のなかで、「5日間連続して一睡も許されず聴取を受けた。手枷、足枷をはめられたり、一カ月間狭い独房に入れられたりもした。無理な姿勢を強いられたこともある。牢獄では、数々の残虐な迫害を受けた。最後は、当局に夫と息子の安全と将来について脅迫され、やむを得ず屈服した」と明かした。

人権弁護士大量拘束から2年

子は就学できない、いやがらせも 苦境を妻が明かす

中国当局は2015年7月9日から、社会的弱者層の弁護を引き受ける人権派弁護士や活動家ら300人を全国各地で一斉に連行した。そのため、同事件は「709事件」とも呼ばれる。その後、当局が親族や弁護士の面会を許可していないため、一部の拘束された者は今も行方不明のままだ。拘束中、拷問や虐待を受けていたとの証言も相次いでいるため、国内外から厳しく批判されている。

事件から2年経過した現在でも、いまだに数人は拘束されたり有罪判決を受けたりしている。うち、王全璋弁護士は連行され、行方不明になってから、すでに700日間を超えた。妻の李文足さんは強い信念を持つ夫が屈しないためだとみている。130人の弁護士からなる「中国人権弁護士団」や台湾の「台北弁護士会」などは9日、中国当局に拘束中の弁護士を一刻も早く解放するよう要求した。

王宇氏は声明文とともに、拘束されている王全璋弁護士を応援する文章を掲載した。そのなかで、王氏は「本気にならないように。本気になるとあなたが損するだけ。でも永遠に本気でいるなら、勝つのはあなたです」「今度も無事に戻ってきて、私たちの前に姿を現すように、心から祈っています」と綴った。

(翻訳編集・王君宜)

関連記事
2015年7月9日から2カ月間で中国各地で人権弁護士や人権活動家など約320人がたて続けて勾留・逮捕され、国際社会も注目した「709事件」。この事件に絡んで、収容施設で不明薬物を強制に摂取させられるなど拷問や虐待を受けたという関係者の証言があいつぎ、14日、130人の弁護士からなる「中国人権弁護団」が全国人民代表大会への公開状を発表し、実態を公正に調査すること、結果を公表することを求めた。
中国で2年前に人権派弁護士らが一斉に逮捕された「709事件」。そのうちの1人の妻はこのほど、 AP通信の取材で2人の娘と連れてタイに脱出する経過、中国に強制送還される間際に米国大使館に救出される一部始終を語った。 
上海在住の人権派弁護士鄭恩寵氏は、709事件で弾圧された中国の人権派弁護士は、中国の未来のために自分と家族の多くの利益を投げ打って尽力していることを取り上げ、敬意を表し、彼らこそが中国の未来の大統領候補だとの思いをあらわにした。