習主席に変革を求められる科学技術。9月に完成予定の直径500メートルの電波望遠鏡(Getty Images)

習近平、変革を示唆する発言

中国科学技術界の三つの全国重要会議となる中国科技創新大会、両院院士大会、中国科技第九回全国代表大会を一堂に開催する「三会合一」が5月30日に北京で開かれ、習近平が談話のなかで「変化を求めなければ、一つの時代を逃してしまう」という言葉を発したことに関心が集まっている。「新な時代を開けるための大変革が必要と示唆しているのか」などの見方が上がっている。

最高指導部「共産党中央政治局常務委員会」の委員らを率いて会議に出席した習氏は科学技術界の主力およそ4000人に対し、「変化を見極めることができない、変化に適応できない、変化を求めなければ、戦略上で受け身になる恐れがあり、発展のチャンスをつかめず場合によっては一つの時代を逃してしまう」と危機感を示した。

また、中国経済の問題点として習氏は「大きいのだが強くないし優れていない領域は少なくない」と述べ、長年にわたっておもに資源、投資、労働力などの投入に支えられてきた経済成長と規模拡大の方式はもうこれ以上続けてはならないと指摘し、「構造調整、方向転換などの難しい課題に直面している」と科学技術界に注文を突き付けた。

1978年鄧小平指導体制の下で開かれた初の三会合一で、故・鄧氏は「科学技術は第一の生産力」という主要な論調を発し、同年から改革開放という国家戦略を打ち出した。38年ぶりに同時開催となった今回の会議について、中国メディアは「科学技術界及び、科学技術創新を最大の源とする国家創新勢力の総集合、総計画と総動員である」と讃えているだけに、習近平の前述の発言は重大な方向性を示していると中国問題専門家はよんでいる。

(翻訳編集・叶子)

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