中国対台湾窓口機関の主要幹部、失脚 

中国共産党中央紀律検査委員会(以下、中紀委)は19日、対台湾窓口機関である国務院台湾事務弁公室(以下、国台弁)の次長・龚清概氏が、重大な法律違反の疑いで調査を受けていることを発表した。中国側がこの件を公表したのは台湾総統選が終了した3日後。このタイミングについて台湾メディアは、中国寄りの国民党の不利になるこの情報を隠しておく必要がなくなったためとみている。

台湾四大新聞の一つ、聯合報は、国民党は今回の総選挙で敗北が予想されていたが、国民党に更なるダメージを与えないよう、中国側は総統選が終了するまでこの件の発表を延期していたと報じている。

台湾の発行部数最大の新聞、自由時報の報道によると、中紀委の中央巡視チームが昨年7~8月に国台弁に対する査察を行い、10月に行われた結果報告で、国台弁で対台湾業務に関連して収賄や汚職などが行われていると報告した。具体的な内容はまだ発表されていないが、当局が台湾総統選の終了を待ってから次長の失脚を「発表」した理由は、選挙期間を避ける意図があったと、同報道は推測している。

日刊紙・蘋果日報(アップルデイリー)は米国の中国ニュースサイト・博聞社が報じた北京消息筋からの情報を引用し、龚氏が犯した重大な法律違反の一部として、同氏が中国で事業展開する台湾企業と不当な経済取引を行ったことや、中国進出を図る台湾の某有名女性芸能人に対し、職権を利用して性的関係を迫ったことを挙げた。

一方、台湾の行政院(内閣にあたる)に直属する大陸委員会(陸委会、対中国大陸業務全般を担当)はこの件の詳細を把握していないためコメントできないとしており、引き続き今後の動きに注意を払うと発表した。

国台弁で失脚した幹部は龚氏が初めてとなる。中国メディアは「資産は10億元以上(1元は約18円)」、「台湾企業のために便宜を図った」などと報じている。

(翻訳編集・桜井信一、叶子)

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