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【味の話】太平燕(タイピーエン)

【大紀元日本8月5日】太平燕(タイピーエン)という料理をご存知でしょうか?中華料理なのですが不思議なことに熊本県の名物となっている料理です。春雨スープにエビ、イカ、豚肉、白菜、タケノコ、キクラゲなどを炒め合わせたものと素揚げにしたゆで玉子が入っています。スープは鶏がら、豚骨、醤油など店や家庭によって様々な味があります。ちゃんぽんの麺を春雨にしたようなもので、熊本県の中部では学校給食の定番メニューにもなっているほどポピュラーな料理。明治時代に華僑が日本に伝えたものと言われています。福州料理である太平燕をアレンジして熊本で誕生したものが、現在日本で食べられている太平燕なのだそうです。

太平燕はもともと中国福建省福州の郷土料理で、アヒルのゆで卵を入れたスープワンタンのような料理。ワンタンと言っても皮は小麦粉ではなく、燕皮(エンピ)という豚肉のすり身で作ったハリのある皮です。これが隠し味となり、更なる旨さを引き出すのだとか。サツマイモのでんぷんに豚肉を練りこみ、薄く障子紙のようにたたいて伸ばし、乾燥させたもので、つまり燕皮とは豚肉から作った麺という訳です。随分手間のかかる料理なので中国でも普通のものは工場製なのだそう。燕皮は貴重なものなので、余った切れ端は細切りにして普通の麺のような食べ方もするそうです。 紙のように薄く、玉のように透き通り、口当たりはなめらかですがしっかりとした歯ごたえがあるそうです。 

アヒルの卵は福州語で「鴨卵 アッロウン」といい「圧乱」(戦乱を鎮める)と同音であり、「太平 タイビン」とも言われています。「燕」は「宴」と同音であることから、「太平宴」(平和なうたげ)として縁起が良い名前となり、この二つの素材を組み合わせた「太平燕」は、福建省ではおめでたい席で欠かすことのできない料理となったそうです。

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