【食品問題】添加剤の濫用 「催熟剤」で見た目は立派な野菜

【大紀元日本7月19日】最近中国では、野菜に「催熟剤」を使用することが流行っており、農家はホルモン剤を植物の根茎に注射や塗布して滲みこませ、成長を早め市場に早く出荷できるようにしているという。「トマトはひと塗りで赤くなり、キュウリもひと塗りで太くなる」といわれている。中国メディアはこれらの添加剤の過度の使用による健康の安全性に疑問を投げかけている。中央社が伝えた。

中国では爆弾スイカなど以前から野菜や果物に対する添加物の使用が問題になっているが、山東、安徽、江蘇で多くの野菜が成熟しないうちに催熟剤を塗ったり注射したりして市場に出荷されるということが最近の調査により明らかになった。

国内メディアの取材を受けたある合肥市民は、市場で買うトマトが外皮は赤いのに切ってみると中は緑色でカチカチに硬く、一体熟しているのか、いないのか合点がいかないと話した。また、多くの消費者は、今いろいろな野菜の味が変わっており、自然に熟したものではないと感じているという。

野菜農家は野菜がまだ成長しきっていない時に「エチレン」という植物成長調節剤を使用し、野菜の熟成を早めている。山東省の農家を例に挙げると、キュウリの開花前にこの添加剤を花茎に塗るか、あるいは果実を形成する初期に塗れば早く収穫できるという。別の農家は「緑直霊」という添加剤を苗の頃から注射し始め、一株のキュウリに5、6回打つと話した。

また、安徽省の農民・馬さんの話では、キュウリに催熟剤を使用すると実が太くなり、咲いた花は鮮やかな色で落ちにくいという。しかし正常なキュウリであれば、花は自然に枯れて落ち、見た目は少し曲がっていて背丈もそんなに大きくないはずだ。

野菜を仕入れる業者によると催熟剤を使用したトマトは見かけが良く、客からの評判も良いし高く売れるという。「(催熟剤を使用すると)赤くしたい時に赤く出来る。成熟を早めたければ濃度を少し濃くし、遅らせたければ薄くすればよい」

さらに八百屋の主人は「どこの野菜栽培農家がこれを使わないというのだ?ほぼ100パーセントの農家が使用している」と話す。

これらの添加物の使用について、南京中医葯大学第二臨床医学院の蔡建偉教授は、基準値以上の使用は健康を害する恐れがあると述べている。

また、地方の農業機関の職員は、現在中国の検査・測定項目において「催熟剤」の測定基準は存在せず、したがって植物成長ホルモンが過度に使用されているか否かの判断をする術がない、と「盲点」について明言した。

 (翻訳編集・坂本)