【生活に活きる植物】 38・雪ノ下(ユキノシタ)

【大紀元日本7月15日】ユキノシタは日本と中国に分布し、湿ったところに自生するユキノシタ科の常緑多年草。紅色の長い匍匐枝(ほふくし)を四方に伸ばして繁殖するので、石垣などに栽培もされています。5~7月に特徴的な形の花が咲きます。その花は5弁で、上部3枚は卵形で小さく、淡紅色で赤い班点があり、下部2枚は不揃いで大きく白色の花を円錐形の花序にまだらに咲かせます。葉は腎円形で多肉、有毛、表面が緑色、裏が赤色です。開花時の葉を乾燥させたものは虎耳草(こじそう)という薬草です。

【学名】Saxifraga stolonifera

【別名】金線草、ミミダレグサ、石荷葉

【成分】硝酸カリウム、塩化カリウム、ベルゲニンなど

【薬用効果】虎耳草は解熱、解毒、利尿作用があり、湿疹、鎮痛、むくみ解消に効果があります。一日量は乾燥物5~10gを煎服します。痔痛は煎液で患部を洗います。また、葉の絞り汁を化膿性中耳炎に点耳し、子供のひきつけには口に含ませ、腫れ物には葉を火であぶって患部に当てます。生の葉は必要に応じて採取します。漢方処方には使用しませんが、民間療法としてよく利用されます。

【食用】ユキノシタの葉は、一年中いつでも採れるので山菜には便利です。塩ゆでにして水にさらしてから、酢味噌和え、辛し和え、ゴマ和え、汁の実、煮物などにします。 また、生の葉は少し低温の油で揚げると非常に美味しいユキノシタの葉の天ぷらになります。しかし、花は食べません。

【余談】ユキノシタは、耐寒性が強く寒い冬に雪の下になっても枯れないことからこの名がつきました。虎耳草とは葉の形状が虎の耳のようであることから、金線草とは紅色の糸のような細い匍匐枝を出すことから名付けられました。この花は清楚な感じですが、花言葉は「情愛、誠実」です。

 

(文/写真・ハナビシソウ)